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618商戦をライブコマースで攻略する|日本企業が今すぐ動くべき準備と戦略【2026年版】
618商戦をライブコマースで攻略する|日本企業が今すぐ動くべき準備と戦略【2026年版】
POINT|この記事の結論
- 618商戦は6月18日を頂点とする中国第二の買い物イベント。双11に次ぐ規模だが、参戦難易度は低めで日本企業の初挑戦に向いている
- ライブコマースが618の成否を決める。プラットフォームはJD.comに加え、淘宝ライブ・抖音電商が主戦場になっており、プラットフォームごとに戦略が異なる
- 本格参加には3月〜4月の動き出しが必要。KOL交渉・商品登録・在庫手配はそれぞれ数週間のリードタイムが発生する
- ライブコマース配信スキルは人材開発支援助成金(審査制・採択保証なし)の対象研修で習得可能。詳細はライブコマース研修×助成金の完全ガイドを参照
618商戦とは——双11と何が違うのか
618(リューイーバー)とは、毎年6月18日を中心に行われる中国の大型ECセールイベントです。元々はJD.com(京東)の創立記念日(1998年6月18日)を起源とし、現在では淘宝・天猫、抖音電商(TikTok中国版のEC機能)、拼多多など全プラットフォームが参加する中国第二の買い物イベントに成長しています。
双11(ダブルイレブン)との主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 618 | 双11 |
|---|---|---|
| 時期 | 5月下旬〜6月18日 | 10月中旬〜11月11日 |
| 主役プラットフォーム | JD.com(創始者)+全プラットフォーム | 天猫(創始者)+全プラットフォーム |
| 規模感 | 双11の7〜8割程度 | 最大規模 |
| ライブコマースの比重 | 年々増加・主流に | 既にライブ中心 |
| 競争の激しさ | 双11よりやや低め | 最高レベル |
| 日本企業向け難易度 | 初参戦に向いている | やや高め |
双11が「規模の最大化」を狙う戦場だとすれば、618は**「確実に成果を出す」**という実利的な位置づけです。日本中小企業が中国市場へのライブコマース参入テストをするには、618の方が現実的な選択肢になります。
中国ライブコマースの全体像で解説しているように、中国のECは現在、ライブ配信と切り離して考えることはできません。618においても同様で、GMVの40〜60%近くがライブ配信経由で発生しているプラットフォームも出ています。
618のライブコマース全体像——プラットフォーム別の特徴
JD.com(京東)|618の「本家」
JD.com自体が618の創始者であり、このプラットフォームが最も力を入れるイベントです。家電・デジタル機器・高単価商品に強く、日本製品では美容家電・ベビー用品・健康食品が比較的売れやすいカテゴリです。
JD.comのライブコマース機能は「京東直播」と呼ばれ、ブランド自社配信(店舗自播)とKOL起用配信の両方に対応しています。ただし、出品者としての申請審査が比較的厳しく、初参戦の日本企業には事前の準備が必要です。
日本企業向けポイント:
- 越境ECとしての参加(跨境電商)ルートが整備されており、日本からの出品が可能
- 商品カテゴリ審査に3〜6週間かかるケースが多い
- 618の公式プロモーション枠に入るためのエントリーは通常4月中旬が締切
淘宝・天猫(タオバオ・天猫)|規模と多様性
アリババグループのプラットフォームでも618は大規模に展開されます。日本企業の越境EC窓口としては「天猫国際(Tmall Global)」が主な入口です。淘宝ライブを通じたKOL配信の規模は業界最大で、有力KOLが618期間中に日本製品を扱うケースも増えています。
天猫国際での出品は、ブランドの認知度と実績を重視される傾向があります。初参戦の場合、KOLに商品を提供して配信してもらう「タイアップ型」から始めるのが現実的な戦略です。
抖音電商(Douyin EC)|618で最も急成長
抖音(ドウイン)は近年、618セールへの取り組みを急速に強化しており、若年層を中心に購買力が高まっています。抖音電商とは何かで解説しているように、動画フィードとライブ配信が一体化したUI設計が購買率の高さを生み出しています。
抖音の618における特徴は、フォロワー数よりも配信コンテンツの質でアルゴリズムが露出を決める点です。大手KOLへの依存だけでなく、コスパの高い中規模KOC(Key Opinion Consumer)を複数起用する「分散戦略」が成果を出すケースが増えています。
618攻略の逆算スケジュール——3月動き出しが鉄則
618本番(6月18日)から逆算すると、日本企業が動き出すべきタイミングは3月上旬〜4月末です。
| 時期 | やること | 注意点 |
|---|---|---|
| 3月上旬 | プラットフォーム選定・出品ルート確認 | JD/天猫/抖音で必要書類が異なる |
| 3月中旬〜下旬 | 出品申請・商品審査提出 | 審査に3〜6週間かかる場合あり |
| 4月 | KOL候補リストアップ・代理店との交渉開始 | 人気KOLは618枠が3〜4月に埋まる |
| 5月上旬 | 在庫手配・保税倉庫への先行搬入 | 中国国内倉庫入庫に10〜20日かかる |
| 5月下旬 | プレセール開始・ライブ配信リハーサル | 一部プラットフォームは5/20前後からプレセール |
| 6月1〜17日 | メインセール期間のライブ配信 | 平日でも配信頻度を落とさない |
| 6月18日 | ピーク日・集中配信 | 売上の30〜40%がこの1日に集中 |
| 6月19日〜 | 返品対応・在庫精算・KOL費用精算 | 返品率は双11より低め |
最も注意すべきボトルネックはKOL確保です。618で成果を出す有力KOLの6月配信枠は、3月末〜4月初旬に埋まり始めます。5月に「KOLを探す」状態では、効果的なパートナーを確保できないまま本番を迎えることになります。
KOL起用戦略——618で成果を出す選び方
618におけるKOL起用で日本企業がよく犯す失敗は「フォロワー数だけで選ぶ」ことです。中国KOLの選び方と失敗しない評価基準でも触れているように、実際の購買転換率(CVR)とGMV実績を確認することが本質的な指標です。
618向けKOL選定の3つの軸
① 商品カテゴリとの親和性
日本製コスメを扱うKOLと健康食品を扱うKOLでは、フォロワーの層が根本的に異なります。618では特にカテゴリごとのコンテキスト一致が購買率に直結します。
② 618実績の有無
前年618でのGMV実績と返品率を代理店経由で確認します。618期間中の配信経験があるKOLは段取りを理解しているため、スムーズに連携できます。
③ 坑位費(出演料)と歩合のバランス
固定の坑位費が高いKOLは在庫リスクが低いですが、コスト先行になります。歩合(成約額の10〜30%)を組み合わせた構造の方が、KOLのモチベーションと日本企業のリスクをバランスさせられます。
大手KOL vs 中規模KOC:618での使い分け
| タイプ | フォロワー数目安 | 坑位費目安 | 向いている商品 | 618での役割 |
|---|---|---|---|---|
| メガKOL | 100万人以上 | 数百万円〜 | 高認知ブランド | 露出最大化 |
| マクロKOL | 10〜100万人 | 数十万円〜 | 中堅ブランド | 認知+転換 |
| マイクロKOC | 1〜10万人 | 数万円〜 | ニッチ・専門品 | 転換率重視 |
予算が限られる日本の中小企業には、**マイクロKOCを5〜10人束ねる「分散型」**が618での費用対効果を最大化しやすい戦略です。
配信コンテンツ戦略——618で視聴者が買いたくなる構成
618のライブ配信は「単なる商品紹介」では成果が出ません。中国の視聴者は双11と618を通じて、高度なライブコマースに慣れています。購買を促す配信構成の基本は以下の通りです。
618配信の黄金構成(60分モデル)
| 時間帯 | コンテンツ | 目的 |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 視聴者を引き込む「つかみ」 | 離脱防止・人数増加 |
| 5〜15分 | 日本製品の背景ストーリー紹介 | 信頼構築 |
| 15〜30分 | メイン商品の詳細デモ・Q&A | 理解促進 |
| 30〜40分 | 618限定価格発表・数量限定演出 | 購買衝動 |
| 40〜55分 | 追加商品・セット販売提案 | 客単価向上 |
| 55〜60分 | まとめ・次回予告・フォロー誘導 | リピート促進 |
特に重要なのは「618限定演出」です。「今だけ」「この配信だけ」という限定性が、視聴者の即決購買を強く促します。在庫カウントダウンや限定クーポンコードの提示は、618期間中の標準的な演出技法です。
ライブコマースの台本構成や中国式の販売話法については、中国型ライブコマースの台本構成と日本への応用で詳しく解説しています。
618で特に売れる日本製品カテゴリ
618は双11と比べて「実用品・日常消費品」の需要が高いことが特徴です。日本企業が狙いやすいカテゴリは以下の通りです。
売れやすいカテゴリ(618向け):
- コスメ・スキンケア:日本製の安全性・品質への信頼が高く、618のビューティーカテゴリは毎年高成長。ただし、化粧品・スキンケア製品を紹介する際は成分・効果に関する表現に注意が必要(薬機法相当の中国規制あり)
- 健康食品・サプリメント:コロナ後の健康志向継続で需要高。越境ECのポジティブリストに掲載されているか事前確認必須。効果効能の断定表現は中国でも規制対象
- ベビー・育児用品:日本製品への信頼が最も高いカテゴリの一つ。618は母の日(5月)との連続性があり、母婴カテゴリが強い
- 家庭用品・生活雑貨:手頃な単価で購入ハードルが低く、初参戦商品として適切
- 食品(加工品):日本の菓子・即席食品への需要は安定しているが、中国の食品輸入規制(検疫・成分表示)の対応が必須
景表法・法令遵守上の注意点(必読)
日本の広告表現規制
618向けに日本国内でプロモーションを行う場合、景品表示法の遵守が必要です。
- 「最大75%OFF助成で実質負担〇〇円」などの表現は、助成金審査制であり採択・支給は保証されない旨を必ず明記する
- 「中国で売れた」「年商〇〇億円のKOLが推薦」といった実績表示は客観的根拠が必要
- 「国が認めた」「厚労省推薦」等の断定表現は不可
中国側の規制
中国で配信するライブコマースには、中国の「ネットライブコマース管理弁法」が適用されます。虚偽誇大広告・サクラ動員・偽レビューは行政処罰の対象です。KOLと契約する際は、コンプライアンス条項を必ず含めることを推奨します。
助成金で618対応ライブコマース研修を受ける方法
618商戦を本格的に戦うためには、ライブコマース配信スキルと中国市場知識を持つ人材が社内に必要です。外注に頼り続けると、毎回のKOL交渉でコストが積み上がり、ノウハウも蓄積されません。
内製化を進めるための研修費用は、事業展開等リスキリング支援コース(人材開発支援助成金)を活用することで、中小企業は経費の最大75%が助成される可能性があります(審査制・要件あり・採択保証なし)。
ただし、以下の点に注意が必要です:
- 2026年改正により、受講料の価格根拠を示す「疎明書」の提出が必要になりました
- eラーニング型のみの研修は賃金助成の対象外(経費助成のみ対象)
- 助成金申請は研修開始前の計画届出が必須。618に間に合わせるには早期の手続き開始が必要
ライブコマース研修×助成金の完全ガイドでは、申請の流れ・注意点・よくある不支給理由を詳しく解説しています。また、ライブコマース研修の助成金申請サポートでは、申請手続きを専門家がサポートするサービスについても紹介しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 618への初参戦でどのプラットフォームから始めるべきですか?
A. 商品カテゴリによって異なります。美容・ベビーは天猫国際(Tmall Global)、家電・高単価品はJD.com越境EC、若年層向け低価格品は抖音電商が向いています。複数に一度に参戦するより、1プラットフォームに集中して実績をつくる方が初参戦企業には効果的です。
Q. 618の準備を今年(6月)から始めても来年には間に合いますか?
A. 来年の618(2027年)向けには十分間に合います。今年の618期間中に中国市場の実態を観察し、秋のうちにKOL候補リストと出品申請の準備を始めておくことで、2027年の618本番に向けた動きができます。
Q. KOLへの報酬支払いはどう設計すればいいですか?
A. 坑位費(固定出演料)と歩合(成約GMVの〇〇%)を組み合わせるのが一般的です。坑位費のみだとKOLが頑張らず、歩合のみだと高額KOLは受けてくれません。日本企業には「坑位費:小さめ + 歩合:15〜25%」のハイブリッド型を推奨します。
Q. 618期間中の返品率はどのくらいですか?
A. カテゴリや価格帯によって異なりますが、越境ECの日本製品は一般に10〜20%程度とされています(双11より低め)。返品発生時の対応フロー(中国保税倉庫への返品受取り、商品検品、再出荷)を事前に代理店と確認しておくことが重要です。
Q. 助成金を使って618対応の研修ができますか?
A. 可能です。ただし助成金は審査制であり、採択・支給は保証されません。また、研修開始前に計画届の申請が必要なため、618本番に間に合わせるには半年以上前からの準備が必要です。
まとめ——618攻略は「逆算×人材育成×内製化」が本質
618商戦をライブコマースで攻略するための核心は、計画の前倒しと社内への知識蓄積にあります。毎回KOL・代理店に全依存するモデルでは、618のたびに多大なコストが発生し、ノウハウが社外に溜まるだけです。
中国市場に本気で向き合うなら、ライブコマースの中国式手法を社内に取り込む人材投資が最も確実なROIを生みます。その第一歩として、助成金を活用した研修投資は有効な選択肢の一つです。
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