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BiliBili(B站)ライブコマース 日本企業 活用法|アニメ・美容・食品で売れる理由と参入方法【2026年版】
BiliBili(B站)ライブコマース 日本企業 活用法|アニメ・美容・食品で売れる理由と参入方法【2026年版】
POINT|この記事の結論
- BiliBili(B站/ビリビリ)は中国最大の動画・ライブ配信プラットフォームで、Z世代(18〜35歳)を中心に月間アクティブユーザーが3億4,100万人超(2025年末時点)を誇る。アニメ・ゲーム・コスメ・食品・日用品など日本製品と相性が高い
- B站のライブコマース(带货直播)は「ファン文化」と「購買」が融合した独自エコシステムを持ち、コンテンツへの深い共感が購買を動機づける点で、抖音(TikTok)の「衝動買い誘引」型とは根本的に異なる
- 日本ブランドはB站においてデフォルトで好意的なイメージを持たれやすい。特にアニメ関連グッズ・日本コスメ・和食品・日本製ベビー用品は「本物を買いたい」層に刺さる
- B站への参入には自社配信(自播)と UP主(ユーチューバー相当)へのタイアップ配信(代播)の2経路がある。初期は2,000〜5,000元規模のUP主タイアップからテストするのが低リスクで有効
- ライブコマース運用スキル・中国向け配信ノウハウの社内人材育成には、事業展開等リスキリング支援コースの助成金が活用できる可能性がある(審査制・採択保証なし・支給保証なし)
BiliBili(B站)とは──中国EC市場における独自ポジション
BiliBili(哔哩哔哩/B站)は、2009年にACG(アニメ・コミック・ゲーム)コンテンツを中心に創業した中国の動画プラットフォームだ。創業当初は日本アニメの二次創作・考察動画やゲーム実況を好む若年層の「オタク文化の聖地」として知られていたが、2020年代に入り急速に総合プラットフォームへと進化を遂げた。
ユーザー属性と市場規模
B站の最大の特徴は、ユーザー層の高い質と購買力の組み合わせにある。
2025年末のデータによれば、月間アクティブユーザー(MAU)は約3億4,100万人。そのうち35歳以下が約85%を占め、中国の動画プラットフォームの中で最も若い層に強い。ただし「若い=購買力が低い」という先入観は禁物だ。B站のコアユーザーである都市部の大学生・若手ビジネスパーソンは、消費意欲が高く、ブランドへのロイヤリティが強い傾向がある。
また、B站は他プラットフォームと異なり「会員制コミュニティ」の性質を持つ。新規ユーザーは入会テスト(100問のACG知識問題)に合格しないと正式会員になれない仕組みが長年維持されており、その結果コアユーザーはプラットフォームへの帰属意識が非常に強い。これが後述する「UP主(コンテンツクリエイター)との信頼関係に基づく購買行動」を生む土台となっている。
抖音・淘宝直播との本質的な違い
日本企業がB站のライブコマースを正しく使うためには、他プラットフォームとの違いを正確に理解する必要がある。
| 比較軸 | BiliBili B站 | 抖音(Douyin) | 淘宝直播(タオバオライブ) |
|---|---|---|---|
| ユーザー目的 | コンテンツ体験・コミュニティ参加 | エンタメ消費・衝動買い | 商品比較・購買 |
| 購買動機 | ファン共感・クリエイター信頼 | 限定セール・緊迫感 | 価格・スペック比較 |
| 主力商材 | ACG関連・コスメ・ファッション・食品 | 幅広い(日用品・衣類・美容) | 家電・アパレル・コスメ |
| 配信スタイル | 長尺・深い解説・双方向対話 | 短時間・ハイテンション・フラッシュセール | 長尺・徹底比較・値引き交渉 |
| 弾幕文化 | 非常に活発(購買の証拠にもなる) | 限定的 | 限定的 |
| 競争強度 | 中(ニッチ特化で戦いやすい) | 極めて高い | 高い |
B站で成功するライブコマースは「そのクリエイターが好きだから買う」「このブランドをコミュニティで試したい」という共感型購買がベースにある。衝動買いを狙う抖音型の大声セールスは、B站ユーザーにはむしろ嫌悪感を与えることが多い点に注意が必要だ。
なぜ日本製品はB站と相性が良いのか
1. 日本コンテンツへの根強い愛着
B站が創業した原点は「日本アニメ」だ。ユーザーの多くが日本のアニメ・マンガ・ゲームに深い親しみを持ち、日本文化への好意的なイメージを持つ。これは日本ブランドが中国で販売する際の「信頼の前払い」として機能する。
たとえば、日本製コスメ・スキンケアをB站で紹介する際、「日本の○○成分技術」「日本の薬事法をクリアした品質基準」という訴求は、他の中国プラットフォームよりもB站ユーザーに刺さりやすい。
2. ACGコラボ商品の高需要
アニメ・ゲームのコラボグッズ、フィギュア、グッズ(周辺商品)、限定版商品のニーズがB站内では極めて高い。日本のキャラクターIPを持つメーカー・小売企業にとって、B站はこれ以上ないターゲット市場だ。
実際、複数の日本アニメ関連グッズブランドがB站のUP主タイアップ配信で在庫を完売させた事例が報告されている(具体的な社名・数値は各社の公開情報に依存するため本記事では割愛するが、B站公式の「带货榜」で確認できる)。
3. 「本物志向」のユーザー意識
B站ユーザーはコンテンツリテラシーが高く、誇大広告や偽レビューに敏感だ。裏を返せば、本物の品質と誠実な情報発信が評価される環境でもある。
日本製品の強みである「成分・製法の透明性」「JIS・日本農林規格などの品質基準」「長年の実績」は、B站コミュニティで特に響く。UP主が配信中に「実際に使った体験談」を詳しく語り、視聴者が弾幕(リアルタイムコメント)で「本当に効く?」「成分は?」と質問し合う中で、信頼性が積み上がっていく。
B站ライブコマースの仕組み
带货直播(带货ライブ)の基本
B站のライブコマースは「带货直播」と呼ばれる。2020年以降に本格的に強化された機能で、配信中に商品リンクを表示し、視聴者がそのまま購入できる仕組みだ。決済は京東(JD.com)や天猫(Tmall)と連携するケースが多く、B站独自の「B站小店」経由での販売も増えている。
弾幕コメントと購買の連鎖
B站の象徴的な機能が「弾幕」だ。動画・配信画面上を流れる視聴者コメントで、「これどこで買える?」「もう買った!」「限定版残ってる?」といった声が表示されることで、他の視聴者に購買を促す連鎖が起きる。
この弾幕文化はB站独自のものであり、ライブコマース配信において「社会的証明(Social Proof)」として機能する。配信者が意図的に弾幕を誘導する演出を行うケースも多く、「弾幕が盛り上がること自体が購買シグナル」という独特のダイナミクスがある。
UP主(ユーチューバー)との関係性
B站では動画・配信クリエイターを「UP主(アップ主)」と呼ぶ。YouTubeでいうユーチューバー相当だが、B站においてはUP主とファンのコミュニティ的な結びつきが非常に強い。
人気UP主の「推薦」は単なる広告ではなく、ファンにとっての「信頼できる人からのアドバイス」に近い。これが购买转化率(コンバージョン率)を押し上げる主因だ。
B站のUP主は、フォロワー数(粉丝数)や専門分野によって分類される。日本企業が活用する際は以下の規模感を参考にしたい:
| UP主規模 | フォロワー数目安 | 坑位費(タイアップ基本料)目安 | 適した用途 |
|---|---|---|---|
| ナノUP主 | 1万〜10万 | 500〜3,000元 | テスト・ニッチ商材 |
| ミドルUP主 | 10万〜100万 | 3,000〜30,000元 | 中量拡散・専門分野特化 |
| 大型UP主 | 100万〜500万 | 30,000〜200,000元 | ブランド認知獲得 |
| 超大型UP主 | 500万以上 | 200,000元〜(交渉制) | 大規模キャンペーン |
※費用はあくまでも目安。実際は商材カテゴリ・配信形式・フォロワーの属性によって変動する。
日本企業がB站ライブコマースに参入する方法
ステップ1: ブランドアカウントの開設
B站では法人・ブランドアカウントの開設が可能だ。中国法人または香港法人(越境EC向け)を通じて「品牌账号(ブランドアカウント)」を開設し、商品ページとライブ配信機能を紐づける。
越境EC形式で参入する場合は、B站が提携する京東グローバルや天猫国際(Tmall Global)との連携が一般的だ。販売決済・在庫管理はこれら越境ECプラットフォーム経由となり、B站アカウントはあくまでも「露出・集客」の役割を担う。
ステップ2: UP主リサーチとタイアップ交渉
初期参入の多くは「自社配信より先にUP主タイアップ」で行う。理由は明確で、B站において新規ブランドアカウントは視聴者を集めるのに時間がかかるが、信頼を持つUP主のフォロワーにリーチすることで即座にターゲット層に露出できるためだ。
UP主の選定には以下の観点が重要だ:
- カテゴリとの親和性: 美容・食品・アニメグッズ・ライフスタイル等、商材に合った専門分野のUP主を選ぶ
- エンゲージメント率: フォロワー数ではなく「再生数・弾幕数・コメント数」の比率を見る
- 視聴者属性: 年齢層・居住地・性別がターゲットと合致しているか
- 過去の带货実績: 以前に紹介した商品の反応・成約率を確認する
タイアップ形式は「坑位費(固定出演料)+売上歩合」が主流だが、B站は抖音と比べて純粋な「商品紹介動画」より「体験談・レビュー形式の長尺コンテンツ」が評価されやすい。「30秒で商品を叫ぶ」ではなく「10分かけて愛情込めて語る」スタイルがB站に合う。
ステップ3: 配信コンテンツの設計
B站向けの配信コンテンツは、以下の構成が効果的だ:
- 冒頭(開場〜5分): UP主が自身のファンに向けてブランド・商品との出会いを語る。「日本から取り寄せてみた」「SNSで話題を見て気になった」など、素直なストーリーラインで入る
- メインパート(5〜30分): 商品を実際に使いながら詳しく解説。弾幕のコメントに返答しながら双方向で進める。品質・成分・製法への誠実な説明を惜しまない
- 購買促進(30〜40分): 期間限定価格や特典を提示。「弾幕に○○と書いてくれた人に抽選でプレゼント」など、コミュニティ性を活かした演出
- 締め(40〜45分): UP主の個人的な感想・おすすめポイントでクロージング。「また買う」「友人に勧めた」という自然な推薦
ステップ4: 効果測定と最適化
B站には「创作中心(Creator Studio)」というデータダッシュボードがあり、配信の視聴数・弾幕数・コイン獲得数・商品クリック数・成約数を確認できる。
特に重視すべきKPIは以下だ:
- 带货转化率(購買転換率): 視聴者のうち何%が商品を購入したか
- 弾幕密度: エンゲージメントの代替指標。高いほど配信が「燃えている」状態
- 平均視聴時間: B站はYouTubeと同様、長く見られるコンテンツが評価される
- フォロワー増加数: 配信をきっかけにブランドアカウントを登録した新規ファン数
B站ライブコマース活用時の注意点
景品表示法・薬機法に相当する中国規制
中国においても日本の景品表示法・薬機法に相当する規制が存在する。特にB站でのコスメ・健康食品・サプリメント・ベビー用品の配信では以下の点に注意が必要だ:
- 「○○が治る」「絶対痩せる」などの断定的効果表現は中国の広告法でも規制対象
- UP主が医師・専門家でないにもかかわらず医学的効果を主張する配信はB站のガイドライン違反となる
- 食品・サプリメントの成分表示・輸入許可証の確認は必須
また、日本国内での景品表示法も適用される可能性がある点を忘れずに。「中国向けの配信だから国内法は関係ない」という認識は誤りだ。
ステルスマーケティング防止
B站は2023年以降、广告标注(広告ラベリング)の義務化を強化した。UP主がタイアップ配信を行う際は、配信冒頭に「商业合作(ビジネスコラボ)」と明示する必要がある。これを怠るとUP主・ブランド双方にペナルティが科される。
プラットフォーム特有の文化への不理解リスク
B站ユーザーはプラットフォームの文化・マナーに敏感だ。過度に商業的な配信、既存コンテンツのコピー、コミュニティへの配慮が欠けた言動は、弾幕や動態(SNS投稿)で猛烈に批判される「社区舆论(コミュニティ世論)」に晒されるリスクがある。
B站に参入する際は、まず半年〜1年かけてプラットフォームの文化を理解し、小さなテスト配信から始めることを推奨する。「中国のプラットフォームだから抖音と同じやり方で良い」は最も多い失敗パターンだ。
他プラットフォームとのポジショニング整理
日本企業がB站に参入する際は、既存の中国販売チャネルとの役割分担を明確にすることが重要だ。
- 抖音(Douyin): 幅広い年齢層への大量露出・新規認知獲得。衝動買い型
- 淘宝直播(タオバオライブ): 購買検討期の詳細説明・価格競争。成熟ブランド向け
- 京東直播: 品質訴求・高単価商材・丁寧な説明。信頼型購買
- BiliBili(B站): Z世代・ACGファン層・コミュニティ型購買。ブランドストーリー重視
4つのプラットフォームを並行して運用するのは中・大企業の体力が必要だ。日本企業の場合、まず「自社商材が最も刺さるプラットフォームを1〜2つに絞る」ことが現実的だ。アニメ・コスメ・和食品ならB站は検討の筆頭になりうる。
詳細なプラットフォーム比較は中国ライブコマース プラットフォーム 比較(抖音・淘宝・京東・快手・小紅書)も参照してほしい。また、B站のコアユーザーである中国Z世代の消費行動については中国 Z世代 消費 特徴 日本企業向けで詳しく解説している。
運用人材の育成と助成金活用
BiliBiliを含む中国ライブコマースを自社で運用するには、以下のスキルを持つ人材が必要になる:
- 中国語でのライブ配信コミュニケーション能力(または通訳の手配)
- B站プラットフォームの操作・弾幕対応の経験
- UP主・MCNとの交渉・契約管理
- 中国向けコンテンツ制作(商品説明資料・配信台本の中国語化)
- 越境EC申請・通関手続きの知識
こうした専門人材を外部委託だけで賄い続けると、長期的な費用は膨らみ続ける。社内に「中国ライブコマース担当者」を育てるという選択肢が、中長期では費用対効果の面で優れている。
この社内人材育成の研修費用には、事業展開等リスキリング支援コース(人材開発支援助成金)の活用が可能な場合がある。
助成金の概要(2026年現在の制度)
- 対象: 雇用保険適用事業所の従業員への職業訓練
- 助成率: 中小企業 最大75%、大企業 最大60%(審査制・採択保証なし)
- 賃金助成: 訓練中の賃金の一部を助成(eラーニング単独は対象外・2026年改正)
- 疎明書(受講料の価格根拠書類)の提出が2026年改正より義務化
⚠️ 景表法注記: 「最大75%助成」は法令上の上限であり、実際の助成率・助成額は審査結果によって異なります。採択・支給を保証するものではありません。「国が認めた研修」「助成金が必ず出る」等の表現は制度の誤解であり、本記事では使用しておりません。
中国ライブコマース研修を通じた人材育成と助成金活用の全体フローは、ライブコマース研修 助成金 法人向け完全ガイドで詳しく解説している。
まとめ
BiliBili(B站)は、中国のZ世代・ACGファン層に強いリーチを持つプラットフォームであり、日本製品にとって他の中国プラットフォームにはない「文化的親和性」という強みが活きる市場だ。
抖音の衝動買い型、淘宝直播の価格競争型とは異なり、B站では「ファンの信頼に基づく購買」が起きる。日本ブランドのストーリー・品質・誠実さを丁寧に伝えるコンテンツ戦略が、この市場での成功の鍵となる。
参入のハードルは「UP主へのタイアップ(数千〜数万元のテスト予算)」から始められ、成果を見ながら自社配信へとステップアップする経路が最もリスクを抑えやすい。
社内での継続的な運用を目指すなら、ライブコマース・中国向け配信スキルの人材育成に投資し、助成金を活用して実質負担を抑えながら内製化を進める戦略が有効だ。
B站を含む中国ライブコマース戦略を具体化したい方は、ぜひ無料個別相談でご相談いただきたい。
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