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中国ライブコマース×和菓子・スイーツ|日本ブランドが中国市場で売るための越境EC戦略 2026年版

読了時間:約10CNavi編集部
中国ライブコマース×和菓子・スイーツ|日本ブランドが中国市場で売るための越境EC戦略 2026年版

中国ライブコマース×和菓子・スイーツ|日本ブランドが中国市場で売るための越境EC戦略 2026年版

POINT|結論

論点 要点
市場背景 中国のスイーツ・お菓子市場は2025年時点で約7,000億元規模。「精緻」「高品質」な日本製スイーツへの需要は海外ブランドカテゴリの中でも最上位クラスの人気を維持している
ライブコマースとの相性 和菓子・洋菓子は「見た目」「製法」「素材ストーリー」で差別化できる視覚的商材。ライブで職人技・断面・食べた瞬間の表情を届けることで通常EC比2〜3倍のコンバージョン率が報告される
主要プラットフォーム 淘宝直播(ブランド認知・リピート層)・抖音電商(新規発見・Z世代)・小紅書(ギフト・ライフスタイル文脈)の3軸が有効
乗り越えるべき壁 食品輸入規制・賞味期限・成分表示・越境EC通関ルールへの対応が必須。対策なしに参入するとSKU停止リスクあり
解決策 内製化された配信チームと商品知識の深い担当者を育てることが売上継続の鍵。その仕組み化に助成金を使う手もある

1. なぜ今、中国で日本製スイーツが売れるのか

中国の食品消費は量から質へのシフトが鮮明だ。「消費升级(消費アップグレード)」と呼ばれるこのトレンドのなかで、安心・安全・高品質を象徴する日本製食品は特別なポジションを占め続けている。

スイーツカテゴリで言えば、2020年代以降に中国のZ世代・ミレニアル世代の間で「精致生活(精緻なライフスタイル)」ブームが拡大し、日常のお茶時間や自分へのご褒美消費に高品質スイーツを選ぶ層が急増した。

日本スイーツへの信頼要因

  • 職人技・手仕事の物語性:羊羹・最中・生八ツ橋など、製法に長い歴史を持つ和菓子は「文化体験」として消費される
  • 原材料の透明性:小豆・抹茶・宇治茶など産地が明確で、中国消費者が求めるトレーサビリティに応えやすい
  • パッケージの美しさ:贈答文化が根強い中国では、包装の精緻さ自体が商品価値。日本のギフト箱仕様は高評価を得やすい
  • インバウンド体験の延長:日本旅行で食べた和菓子をまた食べたい、という「記憶の再現消費」が越境購買動機になる

2. スイーツ越境ECで使うべきプラットフォーム比較

淘宝直播(タオバオライブ)

リピート購入層・ブランドファンへのアプローチに強い。すでに天猫国際(Tmall Global)でブランドショップを持っている企業がライブ機能を組み合わせる形が典型。コメント欄でのQ&A対応→即購入への導線設計がしやすい。

スイーツ適性:羊羹・チョコレート・クッキーなど常温保存可能な定番商品に向く。ブランドの世界観を丁寧に見せる長尺配信と相性が良い。

抖音電商(ドウイン EC)

発見型・衝動買い型のプラットフォーム。アルゴリズムで新規ユーザーへのリーチが得やすく、初参入企業にも露出機会がある。ショートドラマ連携や15〜30秒のフック動画→ライブ誘導の「ショートフィルム+ライブ」フォーマットが2026年の主流手法。

スイーツ適性:断面ショット・初食いリアクション・製造工程などのビジュアル演出が抜群に映える。季節限定フレーバーや新商品ローンチとの親和性が高い。

小紅書(RED / 小红书)

購買前のリサーチ・ギフト選びの文脈で使われるプラットフォーム。「母の日 和菓子 プレゼント」「日本お土産 再現 通販」など検索からの流入が特徴。KOC(Key Opinion Consumer)による素直なレビュー投稿が信頼醸成に効果的。

スイーツ適性:ギフト需要・ライフスタイル文脈と非常に相性が良い。インバウンド体験を記憶する層へのリーチに特化した戦略に組み込むと効果的。


3. 賞味期限と食品規制:スイーツ越境ECの最大のハードル

スイーツ越境ECで多くの日本企業が最初につまずくのが食品輸入規制と賞味期限の壁だ。

中国食品輸入規制(2026年時点の主要ルール)

  • GACC(中国税関)への企業登録:食品輸出事業者は中国税関当局への登録が義務。和菓子・洋菓子カテゴリでも例外なし
  • 成分表示の中文対応:中国語での成分・アレルゲン・製造者・輸入者の表示が必要。追いラベルで対応するケースが多い
  • ポジティブリスト規制:食品添加物については中国の許可リストに準拠する必要あり。日本で合法な添加物が中国で禁止される場合があるため処方確認が必須
  • 賞味期限の計算方法:越境EC通関後の残存賞味期限が一定割合以上(カテゴリにより60〜80%以上)必要とする倉庫・プラットフォーム規定がある

賞味期限が短い和菓子の対応策

商品タイプ 賞味期限の目安 越境EC適性 対応アプローチ
生菓子(水羊羹・生大福等) 数日〜2週間 冷凍輸送または常温に特化した別ラインの開発
半生菓子(羊羹・最中等) 1〜3ヶ月 保税倉庫の活用で通関時間を圧縮
干菓子・焼き菓子(クッキー・せんべい等) 6ヶ月以上 越境EC向けの主力SKUに設定しやすい
チョコレート 6〜12ヶ月 季節限定品は夏季の温度管理に注意
抹茶スイーツ(粉末・ペースト使用) 3〜12ヶ月 中〜高 抹茶原料の産地・品種情報がブランドストーリーになる

実務のポイント:越境EC専用ラインを設け、賞味期限・パッケージ・添加物すべてを中国規格に合わせた"越境EC仕様"を別途開発する企業が増えている。コスト増になるが、継続販売のリスク管理として有効な手法だ。


4. ライブ配信で「売れる演出」を作る:和菓子・スイーツ特有の設計

中国のライブコマースで和菓子・スイーツを売るには、視覚・聴覚・購買心理の3つに働きかける演出設計が必要だ。

4-1. 視覚演出の鉄則

断面の見せ方がすべてを決める。和菓子の断面に現れる層・餡の色・粒感は、テキストや写真では伝わらない。ライブ配信中にその場で切り分けて断面を接写するシーンは、コメント数と購買クリック数が跳ね上がる定番演出だ。

  • 照明:高演色性のLEDを真上+斜め45°から当て、白・淡色の和菓子が潰れないよう注意
  • 背景:和の素材感(木目・竹・白磁)を使い、中国消費者が想像する「日本らしさ」を視覚化
  • 接写カメラ:メインカメラと別にクローズアップ専用を用意し、スイッチングで単調さを防ぐ

4-2. 物語的販売トーク(OMGトーク応用)

李佳琦(Austin Li)が確立した販売トーク手法は、スイーツカテゴリでも有効だ。具体的には:

  1. 「これを食べた瞬間を想像してください」(感情移入を誘う冒頭トーク)
  2. 素材の産地ストーリー(宇治抹茶、北海道小豆、鎌倉の老舗100年)
  3. 比較による優位性(「市販のチョコレートと全然違う。職人が一個一個手で作る」)
  4. 緊迫感の演出(「今日のセットは在庫50個のみ。次回入荷は未定」)
  5. 食べた後の表情・リアクション(食レポは中国語の「好吃!太好吃了!」が必須)

4-3. 季節・イベント連動の配信カレンダー

中国の商戦カレンダーとスイーツ需要を組み合わせると、年間で効率よく売上を立てられる。

時期 イベント スイーツ需要 推奨商品
1〜2月 春節(旧正月) 贈答ギフト需要最大 和菓子ギフトセット、羊羹
3月 女神節(三八婦女節) 女性向け自己褒美消費 抹茶スイーツ、上生菓子
5月 母の日・520 ギフト需要 季節の生菓子・フルーツ大福
6月 618大促 年間2番目のビッグセール 全ラインナップでバンドル販売
8月 七夕(チーシー) カップル向け バレンタイン系チョコ・ペア菓子
9〜10月 中秋節・国慶節 月餅文化に絡めたギフト 和風月餅風菓子・和菓子詰合せ
11月 双11 年間最大EC商戦 大容量セット・特別バンドル
12月 クリスマス・年末 自己消費とプレゼント両立 クリスマス限定チョコ・焼き菓子

5. KOL・KOC選定:スイーツカテゴリの最適解

グルメ系KOLの選び方

スイーツ販売に向いているKOLのプロファイル:

  • フード系・ライフスタイル系(美妆(ビジョ)系よりも食レポコンテンツが多いアカウント)
  • フォロワー10万〜100万のウエイター(腰部)クラス:エンゲージメント率が高く、コスト対効果が出やすい
  • 日本文化・日本旅行経験あり:日本スイーツのコンテキストを理解してリアルな感動を表現できる

KOCを活用したセーディング戦略

小紅書では数十〜数百名のKOC(素人に近い一般インフルエンサー)に商品を試食してもらい、正直なレビュー投稿を蓄積する「小红书种草(シーディング)」が日本製食品の信頼醸成に有効だ。

進め方の実例

  1. 越境EC専用セットを100名のKOC候補へ無償提供
  2. 指定の投稿タグ・ハッシュタグを使って自由な感想を投稿してもらう
  3. エンゲージメントが高い投稿を抖音の有料トラフィック(Dou+)で増幅
  4. その流れをライブ配信の集客に転換する

詳細は中国ライブコマースで日本企業が活用すべきKOL戦略および中国ライブコマースの成功事例:日本食品も参照してほしい。


6. 配信チーム内製化:スイーツブランドが長期で戦うための仕組み

外注代行に頼り続けるライブコマースは、コストが高く、ブランドのストーリーを正確に伝えられないリスクを常に抱える。スイーツ越境ECを継続的に成長させるには、社内に「商品知識×ライブコマーススキル」を持った担当者を育てることが必要だ。

内製化で生まれる差別化

内製化チームの特徴 外注代行との差
職人の話を直接聞いて深い商品理解がある 代行は台本依存、深掘りに限界がある
新商品情報をすぐに配信に反映できる 代行への引継ぎにラグが生じる
視聴者のリアクションを次回商品開発にフィードバックできる 情報がブラックボックス化しやすい
長期的にコスト削減される 継続費用が高止まりする

研修で習得すべきスキルセット

ライブコマース担当者に必要なスキルは大きく3つだ。

  1. 中国語コミュニケーション基礎:完璧な流暢さより、「好吃!」「限量!」「日本直送!」など決定的なフレーズを使いこなす能力
  2. ライブコマース配信技術:機材設定・照明・台本構成・コメント対応・緊迫感演出
  3. 越境ECオペレーション:注文処理・通関対応・返品対応・プラットフォーム管理

この3つを体系的に学べる研修については、ライブコマース研修 助成金 法人向け完全ガイドで詳しく解説している。


7. 助成金活用:スイーツブランドの研修コストを最大75%削減

社内にライブコマース担当者を育てる研修費用は、**事業展開等リスキリング支援コース(経済産業省)**の対象となる場合がある。

制度概要(2026年改正版)

  • 経費助成率:中小企業 最大75%、大企業 最大60%(※審査制。採択を保証するものではありません)
  • 対象経費:外部講師への研修費用、テキスト・教材費など
  • 注意点①:eラーニング型のみの受講は2026年改正以降、賃金助成の対象外となった。オフJT(集合研修)を組み合わせる設計が必要
  • 注意点②:受講料に関する**疎明書(価格根拠の書類)**の提出が2026年改正から義務化された。研修会社に事前確認すること
  • 注意点③:助成金の支給は採択審査通過後に行われるものであり、支給を確約するものではない

支援対象の詳細と申請サポートはライブコマース研修 助成金 法人向け完全ガイドを参照のこと。

越境ECとライブコマースを組み合わせた助成金活用の全体設計については越境EC×ライブコマースの助成金活用越境ECとライブコマースを連携させた売上最大化も合わせて確認してほしい。


8. 実務チェックリスト:和菓子・スイーツブランドの中国LC参入前確認

  • GACCへの食品輸出事業者登録は完了しているか
  • 越境EC対象商品の中国ポジティブリスト適合確認はしたか
  • 中国語ラベル(成分表示・アレルゲン・製造者)の準備はできているか
  • 保税倉庫または直送フロー(賞味期限確保)の設計はしたか
  • 主力ラインナップは常温6ヶ月以上の商品で構成しているか
  • プラットフォーム(淘宝/抖音/小紅書)のどれから始めるか決めたか
  • ライブ配信担当者の配置または研修計画はあるか
  • KOL/KOCの選定・アプローチ計画はあるか
  • 季節イベントに連動した年間配信カレンダーを作ったか
  • 返品・不良品対応フロー(越境ECの返品率は高め)は設計したか

FAQ

Q. 和菓子は中国で本当に売れますか? A. 売れます。特にインバウンド体験を持つ20〜40代の中国消費者の間でリピート需要が高い。ただし「生菓子」は賞味期限の壁があるため、越境EC向けには常温・長期保存可能な商品ラインを優先させることが実態に即した戦略です。

Q. 最初のプラットフォームはどれがおすすめですか? A. 初参入なら抖音電商からスタートするケースが多い。アルゴリズムによる新規露出が得やすく、予算が少なくても視聴者を集められる。天猫国際への出店と並行して進めるのがよりリスク分散になります。

Q. 中国語が話せる社員がいませんが、配信できますか? A. 当初は中国語対応のMC(マスターセレモニー)を外部から起用するケースもある。ただし長期的には社内育成が競争力の源泉になる。中国語での配信スキルを含む研修プログラムの活用をおすすめします。

Q. 助成金は必ず受給できますか? A. 受給を保証するものではありません。事業展開等リスキリング支援コースは審査制であり、申請内容・計画の精度・労働局への届出の適切さによって採否が決まります。詳細は専門家への相談またはライブコマース研修 助成金 法人向け完全ガイドを参照してください。


まとめ

中国の和菓子・スイーツ市場は、日本ブランドにとって「品質ストーリー」が最大の武器になる数少ないカテゴリだ。ライブコマースはその物語を映像・音・リアルタイムの感動として届ける最強のメディアである。

一方で、食品規制・賞味期限・中国語対応という実務の壁を超えなければ、参入しても継続できない。越境EC仕様の商品ライン設計 × プラットフォーム選定 × 配信チームの内製化育成の3点セットで戦略を組むことが、持続的な売上成長の条件になる。

研修の内製化には助成金を活用できる可能性がある(審査制・採択保証なし)。まずは自社の状況を専門家に相談してみることをおすすめする。


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