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中国ライブコマースで日本コスメを売るときの規制・表現ルール完全ガイド|越境EC×抖音・淘宝の落とし穴と対策
中国ライブコマースで日本コスメを売るときの規制・表現ルール完全ガイド|越境EC×抖音・淘宝の落とし穴と対策
POINT|結論から読む
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 中国化粧品規制の根拠法 | 化粧品監督管理条例(2021年1月施行)。越境ECルートでも適用される |
| 越境ECの特例 | 一般貿易の輸入登録(NMPA)は不要だが、プラットフォームへの製品備案は必須 |
| ライブ配信での禁止表現 | 「治す」「消える」「ゼロ」「○○以上の効果」など医薬品的効能の訴求は厳禁 |
| 日本企業の典型的失敗 | 日本向けのパッケージコピーをそのまま中国語訳して使用し、行政指導を受けるケース |
| 安全な運用の基本 | ①製品備案の確認 ②KOL・自社ライバーへの表現ガイドライン共有 ③配信前スクリプト審査 |
| 研修で学べること | 中国EC規制の実務+ライブ配信スクリプト設計はセットで身につける必要がある |
日本コスメは「品質が高く安全」というブランドイメージから中国市場で強い需要があります。しかし、中国のEC規制・広告表現ルールを理解せずに越境ライブコマースを始めると、アカウント停止・罰則・製品の販売停止というリスクに直面します。
本記事では、実際に中国市場でライブコマースを活用する日本企業の担当者が押さえるべき規制の全体像を整理し、具体的なコンプライアンス対策を解説します。
1. 中国化粧品規制の全体像——2021年改正で何が変わったか
1-1. 化粧品監督管理条例(化妆品监督管理条例)の概要
2021年1月1日、中国では「化粧品監督管理条例(化妆品监督管理条例)」が施行されました。これは1990年代の旧条例を抜本改正したもので、化粧品メーカー・輸入事業者・販売プラットフォームすべてに適用されます。
主な改正ポイントは以下の通りです。
- 化粧品の分類が2種類に整理:「特殊化粧品(染毛・パーマ・脱毛・美白・日焼け止め・育毛など9類)」と「普通化粧品」に区分。特殊化粧品は事前登録(注冊)が必要。
- 製品備案(备案)の義務化:普通化粧品は届出制(备案)に。越境ECでも国内販売と同様に適用される。
- 全成分表示の強化:全成分(全成分表示)の表示が義務。「独自成分は企業秘密」という日本流の非開示は通用しない。
- 広告・宣伝表現の厳格化:医薬品的な効能訴求・誇大広告は厳禁。ライブ配信も当然対象。
1-2. 越境ECの「特例」と「限界」
越境ECルート(保税区モデル・直送モデル)には一般輸入貿易とは異なるポジティブリスト制度があります。ポジティブリストに掲載された品目であれば、NMPA(国家薬品監督管理局)への事前登録なしで販売できます。
ただし、以下の条件は満たす必要があります。
- プラットフォームへの製品備案:淘宝・抖音・京東などの越境ECチャネルで商品を出品する際、プラットフォーム側が求める製品情報・成分リスト・安全性評価データの提出。
- ポジティブリスト対象品目:特殊化粧品(美白・日焼け止め等)は越境ECでも事前審査が必要なケースがある。
- 中文ラベルの添付:消費者への中国語ラベルの提供義務(直接貼付または電子ラベルで代替可)。
「越境ECなら規制がゆるい」という認識は誤りです。プラットフォーム上での表現・訴求はむしろ一般貿易と同等かそれ以上に監視が厳しいのが実態です。
2. ライブ配信で禁止される表現——抖音・淘宝ライブの実務ルール
2-1. 絶対に使ってはいけない「医薬品的効能訴求」
中国の広告法(広告法)と化粧品監督管理条例は、化粧品の宣伝において医薬品的な効能を示唆する表現を明確に禁止しています。ライブ配信も広告行為とみなされるため、当然この規制の対象です。
禁止表現の例(日本コスメのキャッチコピーでありがちなもの):
| 禁止表現 | 問題点 |
|---|---|
| 「シミを消す」「消去」 | 治療的効能の訴求。美白は特殊化粧品扱いで要審査 |
| 「毛穴がゼロになる」 | 身体構造の変化を示唆する誇大表現 |
| 「○○成分が○○%の確率で改善」 | 臨床データの無断引用・誇大数値 |
| 「医師推薦」「皮膚科医監修」 | 医療機関との関連を示唆する表現(証明書なしは違反) |
| 「アレルギーゼロ」「完全無刺激」 | 100%の安全を保証するような絶対的表現 |
| 「敏感肌を治す」 | 治療・治癒の訴求 |
| 「3日で効果が出る」 | 根拠のない期間・数値の断言 |
日本のコスメパッケージには「ハリが出る」「シミが薄くなる」「毛穴レス」といった表現が多いですが、これらをそのまま中文翻訳してライブ配信で使うと規制違反になるリスクが高いです。
2-2. 「推奨できる表現」への言い換えの考え方
禁止されているのは「治療・変化の保証」です。使用感・体験・成分説明は適切に表現できます。
| 日本向け表現 | 中国向け安全な言い換え例 |
|---|---|
| 「シミが消える」 | 「うるおいを与え、ターンオーバーをサポートする」 |
| 「毛穴がなくなる」 | 「なめらかな肌触りを演出する」 |
| 「3日で効果実感」 | 「毎日使うことで、肌のうるおいが感じられる処方」 |
| 「美白」(特殊化粧品未審査の場合) | 「明るくクリアな印象に整える(亮肤)」 |
この「言い換え」はKOLや自社ライバーに対してスクリプトレベルで共有・教育しないと、本番配信で逸脱が起きます。
2-3. 抖音独自の審査・モニタリング
抖音電商(TikTok Shop中国版)は、AIによるリアルタイム配信モニタリングを導入しています。禁止ワードが検出されると自動警告→繰り返しで配信停止・アカウントペナルティというフローです。
具体的には以下の仕組みがあります:
- 违禁词(禁止語)フィルタリング:化粧品カテゴリには専用の禁止語リストがある。
- 人工审核(人的審査):フォロワー数や販売額の大きいアカウントは定期的に人的チェックが入る。
- 消費者通報制度:競合他社・一般消費者からの通報が審査のトリガーになることも。
3. 日本企業が踏みがちな3つの落とし穴
落とし穴①:日本国内の認証をそのまま中国でPRする
「厚生労働省認可」「日本の薬事法○条適合」という表現は、中国の消費者向けPRには使えません。中国の規制当局が認める認証・試験データに基づく訴求が必要であり、日本の規制との相互承認はありません。
落とし穴②:KOLへの「丸投げ」でコントロール不能に
KOLを起用してライブ配信を委託した場合、トークスクリプトの承認プロセスを設けていないと、KOLが独自に誇大表現を使い、ブランドが問題を抱えることがあります。坑位費(出演料)を払っていても、違反コンテンツの責任は商品提供企業にも及ぶのが中国の実務です。
→ 参考:中国 坑位費・歩合の報酬体系と契約注意点
落とし穴③:「越境EC=規制ゆるい」の過信
前述の通り、越境ECルートは一般貿易の一部手続きを省略できますが、広告表現・配信内容の規制は同等です。また、プラットフォーム側(淘宝・抖音)の独自ポリシーが上乗せで適用されるため、実質的には規制が多層になっています。
4. 安全な越境ライブコマース運用フロー(5ステップ)
中国市場で日本コスメをライブコマースで安全に販売するための実践フローを示します。
Step 1:製品の法的ポジション確認
- 特殊化粧品(美白・日焼け止め・育毛など)か普通化粧品かを分類する。
- 特殊化粧品の場合、NMPAへの登録または越境EC特例での備案が必要かを確認する。
- 主要成分・全成分リストを中国語で準備する。
Step 2:プラットフォーム備案の実施
- 淘宝・天猫国際・抖音電商など、出品するプラットフォームへの商品登録時に求められる書類を用意する(製品安全評価報告・成分表・容量など)。
Step 3:表現ガイドラインの社内整備
- 日本語の製品コピー→中国語訴求表現への「言い換えリスト」を作成する。
- 自社担当者・KOL・MCN代理店に対してガイドラインを事前共有し、スクリプト承認フローを設ける。
Step 4:配信前のスクリプトレビュー
- 本番配信前に、スクリプト内の訴求表現を規制基準に照らしてチェックする。
- 可能であれば中国語ネイティブ(または規制に詳しいコンサル)のレビューを挟む。
Step 5:配信後のモニタリングと記録保存
- 配信アーカイブを保存し、問題が生じた場合の証跡として活用する。
- 消費者からのコメント・クレームは迅速に対応し、問題表現は即時修正する。
このフローを内製化できる体制を作るには、中国EC規制の知識と実際の配信オペレーションを両立できるスタッフの育成が必要です。
5. 小紅書(RED)での化粧品マーケティングの特殊性
抖音・淘宝と並び、日本コスメのマーケティングで欠かせない**小紅書(RED)**には固有のルールがあります。
- 種草コンテンツ(シーディング):商品を自然な体験談として紹介する投稿文化。ただし、PR表示(広告マーク)なしのステルスマーケティングは2023年以降厳格化。
- 美容効能の訴求:小紅書も化粧品カテゴリでは禁止語フィルタが適用される。「シミを消す」等は削除対象。
- インフルエンサー起用:小紅書では「KOC(素人インフルエンサー)」が化粧品マーケティングで有効だが、PR投稿には「#广告」タグの付与が推奨(義務化の方向)。
→ 参考:小紅書 ライブコマース 活用ガイド
6. 行知学園グループの中国知見が活きる理由
行知学園グループは長年にわたり、日中間のビジネス橋渡しに携わってきました。化粧品監督管理条例の実務運用や、中国ECプラットフォームの現場ルールについては、日本国内のマーケティング会社では持ち得ない一次情報を持っています。
CNaviのライブコマース研修では、こうした中国市場特有の規制リスクと実践的な配信スクリプト設計を体系的に学べます。「中国向けに売りたいが規制が不安」という企業ほど、専門的な研修の効果が大きいといえます。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. 日本国内で「薬用化粧品(医薬部外品)」として販売している商品を、そのまま中国で越境販売できますか?
A. 「薬用化粧品」「美白有効成分」といった日本の薬事法上の区分は中国では通用しません。中国では「特殊化粧品」として改めて審査・登録が必要です。越境ECルートでも特殊化粧品カテゴリの商品は手続きが複雑になるため、必ず専門家に確認してください。
Q2. KOLに配信を任せれば、自社で規制対応しなくてよいですか?
A. いいえ。KOLが違反表現を使った場合でも、商品提供企業・ブランドに連帯責任が及ぶケースがあります。KOLとの契約書に「表現規制遵守義務」を盛り込み、スクリプト事前確認のフローを設けることが必須です。
Q3. 小紅書と抖音で禁止表現のリストは違いますか?
A. 根拠となる法規制(化粧品監督管理条例・広告法)は共通ですが、各プラットフォームが独自に追加の禁止語リストを持っています。抖音は変動が速いため、定期的な最新情報の取得が必要です。
Q4. 日本語の配信に中国語字幕をつける場合も規制対象ですか?
A. 対象です。中国語字幕・テロップも「広告表現」として規制されます。日本語音声で規制表現を使い、中国語字幕では言い換えるといった対応が必要になることがあります。
Q5. 社内研修でこのような規制知識を体系的に学べますか?
A. CNaviが提供するライブコマース研修では、中国EC規制・表現ルール・配信スクリプト設計を一体で学べます。研修費用は事業展開等リスキリング支援コースの対象となり得ます(審査制・採択保証なし)。詳細はライブコマース研修 助成金 法人向けガイドをご覧ください。
まとめ——規制対応は「売れる仕組み」の土台
中国ライブコマースで日本コスメを継続的に販売するには、製品備案・表現ガイドライン整備・配信スクリプト審査の3つを社内の仕組みとして確立することが不可欠です。
一時的に「なんとなく売れた」としても、規制違反が発覚した瞬間に数か月分の販売機会を失うリスクがあります。逆に言えば、規制対応を先回りして整備した企業は、競合が出遅れる中で安定した市場ポジションを築けるのです。
→ 日本企業が中国ライブコマースで成功するためのパターンは中国ライブコマース×日本コスメ 成功事例と攻略パターンでも詳しく解説しています。
CNaviの無料個別相談で規制対応と研修助成金を同時に確認
「中国向けにライブコマースを始めたいが規制が心配」「社内スタッフに規制知識を含めて研修させたい」という場合は、CNaviの無料個別相談をご活用ください。
行知学園グループの中国ビジネス知見をベースに、貴社の商材・販売チャネルに合わせた具体的なアドバイスを提供します。研修費用への助成金活用についても、申請条件を含めて詳しくご説明します(助成金は審査制であり、採択・支給を保証するものではありません)。
本記事は公開時点(2026年7月)の情報をもとに作成しています。中国の法規制・プラットフォームポリシーは変更される場合があります。最新情報は各プラットフォームの公式ガイドラインおよび専門家にご確認ください。
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