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中国CCC認証・GB規格とは|ライブコマース・越境EC出品前に日本企業が確認すべき製品安全チェックリスト
中国CCC認証・GB規格とは|ライブコマース・越境EC出品前に日本企業が確認すべき製品安全チェックリスト
POINT|この記事の結論
- 中国でライブコマース(抖音/淘宝)を通じて販売する商品には、品目によってCCC認証(中国強制認証)またはGB国家標準への適合が必要。未取得のまま出品すると商品削除・アカウント停止リスクがある
- 跨境EC(クロスボーダーEC)経由での販売は一部のCCC要件が免除されるが、2024〜2026年にかけて対象品目が段階的に厳格化されており「免除で何でも売れる」は過去の話
- 化粧品はNMPA登録(国家薬品監督管理局)が必須で、跨境ECでも免除されない。日本コスメブランドが中国ライブコマースに参入する際の最初のボトルネックがここにある
- CCC・GB規格対応の現地知見とライブコマース運用スキルを同時に自社チームへ移転するには、中国ライブコマース研修と助成金活用の組み合わせが現実的(助成は審査制・採択保証なし)
1. なぜ今、日本企業がCCC認証を知る必要があるのか
中国のライブコマース市場への参入を検討する日本企業が増えている。抖音電商(Douyin EC)や淘宝直播(タオバオライブ)での配信を通じて、日本製品を直接中国消費者に届けるルートは魅力的だ。しかし「製品をどう中国市場へ持ち込むか」「プラットフォームに出品するには何が必要か」という手続き面で躓くケースが後を絶たない。
その中でも特に理解が浅いまま進んでしまいがちなのが、CCC認証(中国強制認証、China Compulsory Certification) と GB規格(国家標準、Guobiao Standards) への対応だ。
これらは中国国内で合法的に製品を販売するための「入場資格」に相当する。資格なしにライブ配信でいくら商品を売り込んでも、プラットフォーム側の審査で弾かれるか、税関・規制当局に摘発されるリスクがある。
2. CCC認証とGB規格の基礎知識
2-1. CCC認証(中国強制認証)とは
CCC認証は、中国政府が定めた製品安全制度で、特定カテゴリの製品を中国国内で販売・輸入する際に取得義務がある認証だ。管理機関は国家認証認可監督管理委員会(CNCA)。
認証が必要な製品カテゴリは現時点で103品目に及ぶ。代表的なものを以下に示す。
| カテゴリ | 主な対象品目 |
|---|---|
| 家電・AV機器 | テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、電気ケトル |
| IT・通信機器 | スマートフォン、ノートPC、Wi-Fiルーター、Bluetooth機器 |
| 照明器具 | LED電球・照明器具 |
| 玩具 | 14歳以下向けのすべての玩具(一部除外あり) |
| 自動車部品 | タイヤ、チャイルドシート、ランプ類 |
| 電線・ケーブル | 電源ケーブル、通信ケーブル |
日本の家電メーカー・IT周辺機器メーカーが中国のライブコマースで製品を販売しようとする場合、この認証がなければ原則として出品できない。
CCC認証の取得には、CNCA認定の第三者認証機関(中国電気用品認証センター=CQCなど)による試験・工場審査が必要で、品目にもよるが数カ月〜1年程度かかる。
2-2. GB規格(国家標準)とは
GB規格は中国の国家標準で、強制性のある「GB」と推奨的な「GB/T」に分かれる。製品の安全性・性能・表示方法などについて規定しており、CCC認証の要件にGBへの適合が含まれることも多い。
- GB(強制): 法令上の義務。適合しない製品は製造・輸入・販売が禁止される
- GB/T(推奨): 義務ではないが、プラットフォームの出品審査やバイヤーの選定基準になることがある
日本の品質基準(JIS等)はGBと互換性があるケースも一部あるが、同一とは限らないため個別確認が必須。特に食品接触素材・化学物質の閾値などは日中で大きく異なる場合がある。
3. 跨境EC(クロスボーダーEC)での適用除外の現状
中国の越境EC制度(跨境電子商務)は、Tmall Global(天猫国際)・JD Worldwide(京東国際)・Kaola(考拉)などのプラットフォームを経由して外国ブランドが中国消費者に直接販売できる仕組みだ。この跨境EC経由での販売については、一部のCCC認証要件が免除または緩和されている。
3-1. 跨境EC特例の概要
跨境ECで中国に輸入された商品は、個人輸入品に準じた扱いを受ける「行郵税(コウユウゼイ)」制度のもとで通関するため、通常の商業輸入(一般貿易)に課せられるCCC認証・中国語ラベル義務などが適用されない品目がある。
これにより、たとえばCCC認証未取得のブルートゥーススピーカーを跨境ECで販売できるケースが生まれていた。
3-2. 2024〜2026年の規制強化
ただし、この「跨境EC免除」の枠は段階的に縮小されている。
- 2024年: 家電・電子機器の一部品目について、跨境EC経由でも実質的なCCC相当基準への適合証明を求める動きが強まる
- 2025〜2026年: 中国当局(CNCA・海関総署)が越境EC管理の徹底通達を複数発出。プラットフォーム側(抖音・淘宝)の出品審査も実態チェックを強化
つまり現時点では「跨境ECなら何でも売れる」という時代は終わりつつある。自社商品が対象品目かどうかを最新の公示リストで確認する必要がある。
3-3. ライブコマース特有の注意点
抖音電商や淘宝直播でライブ配信をしながら商品を販売する場合、商品はあらかじめプラットフォームの商品ページ(「商品橱窓」など)に登録されている必要がある。この登録審査の際に、認証書類・品質証明の提出を求められるケースが増えている。
特に家電・電子機器・玩具のカテゴリでは、抖音側が出品前に製品証明書類のアップロードを義務付けており、CCC証書がない場合は審査却下となる。
4. 化粧品・健康食品・サプリメントの特殊ルール
4-1. 化粧品:NMPA登録は跨境ECでも必須
化粧品については、中国の規制当局であるNMPA(国家薬品監督管理局)への登録・備案(届出) が必要だ。これは跨境EC経由であっても原則として免除されない。
2021年に施行された新「化粧品監督管理条例」により、化粧品の定義と管理が厳格化された。日本コスメが中国ライブコマースに参入する際、最初のボトルネックになるのがこの登録手続きだ。
- 普通化粧品(スキンケア・メイクアップ等): 備案(届出)制。比較的スピーディーだが、成分表・製造情報の提出が必要
- 特殊化粧品(美白・育毛・染毛等): 許可(注册)制。審査に数カ月〜1年以上かかることがある
日本国内では薬機法上の「医薬部外品」として販売している商品でも、中国では「特殊化粧品」として許可が必要になる場合があるため注意が必要だ。
4-2. 健康食品・サプリメント
中国の健康食品(保健食品)は「小藍帽(ブルーキャップ)」マークの取得が要件となる品目がある。跨境EC経由ではある程度の緩和があるが、抖音電商での食品サプリ系商品の広告表現には厳格な制限がある(薬効・病気への効能を示唆する表現は禁止)。詳細はDouyin健康食品規制・日本向けガイドを参照されたい。
4-3. 食品
一般食品の輸入については、2021年以降、中国当局に製造施設の登録(GACC登録)が求められるようになっている。これは跨境ECを含む全ルートに適用される。登録なしの工場から出荷された食品は水際で差し止めとなるリスクがある。詳細は日本食品の越境EC・ライブ配信規制対応ガイドで整理している。
5. 商品カテゴリ別:出品前確認チェックリスト
ライブコマースや越境ECで中国市場に参入する前に、自社商品が以下のどのパターンに当たるかを確認する。
✅ チェックリスト
① 電子機器・家電(スマートデバイス、ウェアラブル、家電用品)
- 対象103品目にCCC必須品目として含まれるか確認
- 跨境EC適用除外リストに現時点で含まれるか確認(CNCA公示)
- 抖音/淘宝の出品審査で証明書類が求められるカテゴリに該当するか確認
② 化粧品・スキンケア・メイクアップ
- NMPA備案(普通化粧品)または注册(特殊化粧品)の取得状況確認
- 日本での医薬部外品→中国での「特殊化粧品」への分類変更リスク確認
- 使用成分が中国の禁止・制限成分リストに抵触しないか確認
③ 食品・飲料・サプリメント
- 製造工場のGACC登録の有無
- 中国向けラベル(中国語・成分表・製造者情報)の準備
- 健康・美容効果の訴求表現:中国規制上の禁止表現に抵触しないか確認
④ 玩具・育児用品
- CCC認証の取得(対象品目に含まれる場合)
- GB6675(中国玩具安全規格)またはGB31325(電動玩具)等への適合
- 対象年齢・注意事項の中国語表記
⑤ テキスタイル・衣料品
- GB18401(繊維製品安全基準)への適合(ホルムアルデヒド・pH・色落ち等)
- ライブ配信での素材・機能の訴求が誇大広告規制に抵触しないか確認
6. 日本企業がよく陥る3つの落とし穴
落とし穴①:「クロスボーダーなら大丈夫」の過信
先述の通り、跨境EC免除の範囲は縮小しつつある。「KOLに依頼してライブで売るだけ」と思って進めたところ、商品を抖音のカタログに登録しようとした段階でCCC証書がなくて詰まる——というケースが2025〜2026年にかけて増えている。
落とし穴②:日本語表示のまま出品
たとえ跨境ECで適法に販売できる商品でも、中国消費者への表示は中国語が必要になるケースがある。ライブ配信画面に映る商品のラベルが日本語のまま出品されると、プラットフォームのコンプライアンス審査で問題になることがある。
落とし穴③:製品スペックが中国市場向けに最適化されていない
日本向け製品(100V対応の家電、日本の薬機法に準じた化粧品処方など)をそのまま中国で販売しようとすると、電圧・周波数・成分基準のいずれかで問題が生じることがある。中国向けには専用ラインナップを設けるか、対応製品を選別する必要がある。
7. 認証取得・対応を効率化するために
現地パートナーとの連携
CCC認証・NMPA登録の実務は、認定試験機関や現地のコンサルタント・代理人(備案代理業者)への委託が一般的だ。抖音電商で実績のあるTP(天猫プロデューサー)や越境EC代行事業者の中には、認証サポートもセットで提供しているところもある。
自社スタッフへの知識移転が競争優位に
外部委託だけでは、毎回の出品ごとに委託コストがかかり、規制変更への対応スピードも遅れる。自社の中国ビジネス担当者が規制の基本を理解したうえで現地パートナーを管理できる体制を作ることが、中長期の競争優位につながる。
中国の制度・ライブコマース運用の知識を体系的に自社に移転するには、専門研修と人材育成投資が有効だ。この分野に特化した研修には、事業展開等リスキリング支援コース(助成金)を活用した法人向けライブコマース研修が活用できる(審査制・採択保証なし、2026年改正で疎明書提出義務あり)。最大75%の経費助成を受けられる場合があるが、審査通過・支給を保証するものではない。
研修プログラムで扱う中国ライブコマースの全体像については中国ライブコマース 全体像・日本企業向け解説も参考にされたい。
8. よくある質問(FAQ)
Q. 抖音(TikTok Shop)でスマートウォッチを日本から中国向けに販売したい。CCC認証は必要か?
A. スマートウォッチは電気通信端末機器に分類されることが多く、CCC対象品目に含まれる可能性がある。跨境EC経由での適用除外を確認したうえで、抖音電商の出品審査で証明書類の提出を求められるケースがある。販売ルート(一般貿易か跨境ECか)とプラットフォームの最新ポリシーを確認することを推奨する。
Q. 日本でOEM製造した化粧品を淘宝ライブで販売したい。何を準備すればよいか?
A. まずNMPAへの備案(普通化粧品の場合)が必要。製造会社の情報・全成分リスト・安全評価書類が必要になる。さらに、抖音/淘宝への商品登録時に品質証明書・成分証明の提出が求められる場合がある。現地の備案代理業者に依頼するのが現実的だ。
Q. CCC認証の取得にはどのくらいの費用と時間がかかるか?
A. 品目・認証機関によって大きく異なるが、試験費用・審査費用で数十万〜数百万円、期間は数カ月〜1年が目安とされる(確定的な費用・期間の保証はなく、個別見積もりが必要)。
Q. 中国のライブコマース向けに商品を調達するとき、すでにCCC取得済みの中国メーカーのOEM品を使うのは有効か?
A. 有効な選択肢の一つだが、製造者・申請者名義のCCC認証は原則としてその製造者に帰属する。別ブランドで販売する場合は、認証の変更・追加申請が必要になるケースがある。
まとめ
中国のライブコマースや越境ECへの参入を検討する日本企業にとって、CCC認証・GB規格・NMPA登録といった規制対応は避けて通れない関門だ。「KOLと組めばすぐ売れる」という話は本当のことがあるが、その前提として商品が適法に中国市場で販売できる状態であることが必要になる。
規制の細部は品目・販売チャネル・プラットフォームの組み合わせによって変わるため、専門家への個別確認が推奨される。同時に、自社チームが中国のビジネス環境を理解して動ける体制を構築するための人材育成投資も検討したい。
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