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抖音ライブコマース 禁止ワード・NG表現 完全ガイド|配信停止・ペナルティを回避する実務知識【2026年版】

読了時間:約10CNavi編集部
抖音ライブコマース 禁止ワード・NG表現 完全ガイド|配信停止・ペナルティを回避する実務知識【2026年版】

抖音ライブコマース 禁止ワード・NG表現 完全ガイド|配信停止・ペナルティを回避する実務知識【2026年版】


POINT|この記事の結論

  • 抖音(Douyin)ライブコマースにはプラットフォーム規約と中国広告法の2層ルールが存在し、どちらに違反しても配信カット・アカウント停止のリスクがある
  • 「最強」「No.1」「国が認めた」「治る」「絶対痩せる」などの最上級・効能断定表現は即アウト。日本語と中国語でニュアンスが変わる表現も多く、直訳は危険
  • 化粧品・健康食品・食品・医療機器は業種別の追加規制があり、日本の薬機法と中国広告法の差異を知らないまま配信すると重大違反になる
  • 違反の重大度に応じて「配信カット→動態扣分→直播間永封→アカウント停止」と段階的にペナルティが適用される
  • 中国語ライバーへの事前教育・台本審査・配信前チェックリスト運用が再発防止の核心
  • ライブコマースの運営ノウハウを社内に内製化し研修費用に人材開発支援助成金(審査制・支給保証なし)を活用する方法はライブコマース研修×助成金の完全ガイドを参照

目次

  1. 禁止ワード問題が日本企業に深刻な理由
  2. 2層ルールの全体像:プラットフォーム規約 × 中国広告法
  3. 絶対NGの禁止表現カテゴリ早見表
  4. 業種別NG表現詳細(化粧品・食品・健康食品・医療機器)
  5. 日本企業が特につまずくポイント
  6. 違反時のペナルティ段階
  7. 配信前チェックリスト(実務用)
  8. 社内教育・台本審査で再発を防ぐ

1. 日本企業に深刻な理由

抖音電商(Douyin Commerce)の市場規模は2024年のGMVが推計3.5兆元超(約70兆円)に達し、日本企業の越境EC進出先として急速に注目が高まっている。しかし、参入した企業の多くが最初につまずくのが「禁止ワード・NG表現」の問題だ。

日本企業が中国語ライバーを起用して配信を始めると、以下のようなことが起きやすい:

  • 配信開始15分で突然カットされる(「封禁」)
  • アカウントの信頼スコアが下がり、アルゴリズムが配信を露出させなくなる
  • 繰り返し違反で永久アカウント停止に至るケース

これらは「ライバーのミス」ではなく、日本企業側の教育不足が根本原因であることが多い。日本の薬機法・景品表示法の感覚で表現を考えると、中国広告法では違反になる表現が多数存在するからだ。

中国式ライブコマースの手法を正しく学ぶことの重要性については中国式ライブコマース研修が必要な理由で詳しく解説している。


2. 2層ルールの全体像

抖音ライブコマースの禁止表現ルールは2つの異なるレイヤーから構成される。

2-1. 中国広告法(広告法)・電商法

法律・規則 主な規制内容 違反した場合の制裁者
中华人民共和国广告法(2021年改正) 最上級表現、効能誇大、虚偽の実績 国家市場監督管理総局(SAMR)
电子商务法 虚偽レビュー、水増し購入、虚偽の評価 電商プラットフォーム・行政当局
化粧品監督管理条例 化粧品の医療効能表示 国家薬品監督管理局(NMPA)
网络直播营销管理办法(2022年施行) ライブ配信での誇大表現、価格詐欺 国家インターネット情報弁公室

重要なのは、これらの法律違反は抖音プラットフォームとは独立して行政処分の対象になりうる点だ。悪質な場合は企業への罰金(通常は広告費の3〜5倍)だけでなく、ブランドの中国市場への参入禁止措置につながることもある。

2-2. 抖音プラットフォーム独自規約

抖音は上記の法律を遵守するだけでなく、**独自のコンテンツポリシー(抖音直播规范)**を設けており、こちらの基準は法律よりも厳しいことが多い。プラットフォームのAI監視システムと人的審査の両方が稼働しており、リアルタイムで配信内容を検知する。

中国のライブコマース規制の全体的な背景については中国ライブコマース規制・ステマ禁止の最新動向を参照のこと。


3. 禁止表現カテゴリ早見表

カテゴリA:最上級・断定系(全業種共通)

これが最も多くの日本企業が引っかかるカテゴリだ。中国広告法第9条は「広告において最高、最強、最優、最佳、最大、第一、唯一、至上、極品などの用語」の使用を明示的に禁止している。

禁止表現(中国語) 禁止表現の日本語的意味 なぜNG
最好 / 最强 / 最佳 / 最优 最高・最強・最良・最上 広告法9条 最上級表現禁止
第一 / 唯一 / 全网最低价 日本一・唯一・最安値 根拠なき優位性断定
国家级 / 政府推荐 / 国家认证 国家認定・政府推奨 根拠なき公的承認の詐称
100%有效 / 百分之百保证 100%効果あり・絶対保証 効果の断定保証禁止
没有任何副作用 副作用ゼロ 医学的効能の誇大表現

カテゴリB:価格煽動系

禁止・注意表現 問題点
全年最低 / 史上最便宜 根拠のない最安値主張
不买后悔 / 错过就亏了 強制的な購買圧力(過度な煽り)
仅剩X件(在庫を実際より少なく偽る) 虚偽在庫表示
厂家价 / 出厂价(根拠なし) 根拠のないメーカー直販価格表示

「限定〇個」「本日限り」などの希少性演出自体は禁止されていないが、実際の在庫・価格と乖離した虚偽の演出は違反となる。中国ライブコマースの在庫演出・心理手法も合わせて参照。

カテゴリC:比較広告系

他社・競合商品の名指し比較は、比較に合理的な根拠がある場合を除き中国広告法第11条で原則禁止されている。「○○社よりも効果が高い」「業界他社と違い」などの比較表現は慎重に扱う必要がある。


4. 業種別NG表現

4-1. 化粧品(化妆品)

化粧品は中国で「特殊化粧品」(美白・育毛・日焼け止め・パーマ・脱毛など9カテゴリ)と「普通化粧品」に分類され、前者は事前登録制。登録なしに特殊効能を主張するだけで違反になる。

NG表現例 問題点
「シワが消える」(皱纹消除) 未登録の医療効能主張
「本物の美白効果」(真正美白) 特殊化粧品未登録での効能主張
「医師推奨」「皮膚科推奨」 医療機関の推薦を示す根拠なき表現
「アンチエイジング効果実証済み」 臨床データなきEfficacy主張
「毛穴が消える」 解剖学的変化を約束する表現

化粧品ライブコマースの手法については中国ライブコマース 化粧品・コスメ配信の勝ちパターンで詳しく解説している。

4-2. 食品(食品)

NG表現例 問題点
「食べると体重が落ちる」 食品での医療効能主張(痩身効果は特殊健康食品のみ主張可)
「血圧を下げる」「血糖値改善」 保健食品未登録での機能性主張
「免疫力アップ」「抗がん作用」 医療効能の誇大表現
「天然100%・農薬ゼロ」(根拠なし) 根拠なき品質断定
「毎日食べれば健康になる」 医薬品的効能の謳い

4-3. 健康食品・保健食品(保健品)

中国の「保健食品」は国家薬品監督管理局(NMPA)への登録が必要で、承認された機能のみを主張できる。日本の「機能性表示食品」や「特保」の制度とは仕組みが異なるため注意が必要だ。

NG表現例 問題点
「病気を治す」「治癒効果」 保健食品での医療効能主張
「ガン予防に効く」 疾病予防効果の虚偽表示
「飲めば即効く」(登録機能外の主張) 承認範囲外の効能表示

4-4. 医療機器・健康器具

日本のライブコマースでも人気の美容機器(EMS美容器、LED光治療器など)は、中国では医療器械として分類される製品も多い。該当する場合は中国での医療機器登録証(医疗器械注册证)が必要で、未登録での「治療効果」「医療効能」主張は重大違反となる。


5. 日本企業がつまずくポイント

5-1. 日本語→中国語の直訳リスク

日本のブランドコピーやパッケージ表記をそのまま中国語に訳すと、法的に問題のある表現になるケースがある。

典型例

  • 「肌を若返らせる」→「让肌肤重返年轻」:医療効能として解釈される危険
  • 「究極の保湿」→「极致保湿」:最上級表現に抵触する可能性
  • 「医師・皮膚科学に基づく」→「基于医学/皮肤科学」:根拠資料なしでは使用不可
  • 「業界初」→「行业首家」:実証根拠がなければ違反

5-2. 日本の薬機法 vs 中国広告法の「ズレ」

日本では薬機法で許可された表現が、中国では別のルールで禁止されることがある。逆に、日本では禁止されている一部の演出手法が中国ライブコマース慣行として普及しているケースもある。この「制度の差」を正確に理解しないまま配信すると、双方向でリスクを抱えることになる。

5-3. 現場ライバーへの教育不足

日本企業が中国語ネイティブのライバーを起用する場合、ライバー自身が禁止表現を知っていても**「この商品の日本語マニュアルにこう書いてあるから大丈夫」と解釈してしまう**ことがある。日本語の元原稿のコンプライアンス確認と、中国語に翻訳した台本の2段階審査が必要な理由はここにある。


6. 違反時のペナルティ

抖音プラットフォームは違反の重大度に応じて段階的なペナルティを適用する。

ペナルティレベル 内容 主な対象違反
Lv.1:配信カット(直播间警告/切断) その場で配信が強制終了 軽微なNG表現、初回違反
Lv.2:動態扣分(信用スコア減点) アカウントの信頼スコアが下がり、アルゴリズム露出が低下 繰り返しの軽微違反
Lv.3:直播间封禁(配信禁止期間) 一定期間ライブ配信が禁止(3日・7日・30日など) 重大表現違反、初回の業種規制違反
Lv.4:抖音小店の販売停止 ショップ機能が一時停止 商品関連の虚偽表示
Lv.5:アカウント永久停止 アカウントが完全に使えなくなる 反復・悪質・詐欺的違反

特に注意が必要なのはLv.2の信用スコア減点だ。スコアが下がってもすぐには目に見えないが、アルゴリズムが配信を露出させにくくなるため、同じコンテンツクオリティでも視聴者数・GMVが目に見えて落ちていく。「配信しても売れなくなった」という相談の多くは、このサイレントなペナルティが原因だ。


7. 配信前チェックリスト(実務用)

以下をライブ配信の台本・商品ページ審査に活用してほしい。

【台本審査チェックリスト】

全業種共通

  • 最上級表現(最好・第一・唯一など)が含まれていないか
  • 根拠のない「保証」「絶対」「100%」表現がないか
  • 国家・政府・公的機関の承認を示唆する表現がないか
  • 在庫数・残時間・価格を虚偽・誇張していないか
  • 競合他社の名指し比較をしていないか

化粧品

  • 「シワが消える」「若返る」など身体変化を断言していないか
  • 医師・皮膚科学の推奨を主張する場合、裏付け資料はあるか
  • 特殊化粧品機能(美白・育毛等)を主張する商品は中国で登録済みか

食品・健康食品

  • 「痩せる」「血圧改善」「免疫力向上」など医療効能を主張していないか
  • 保健食品の場合、承認された機能の範囲内か

全般

  • 中国語に翻訳した後も同じ基準で再チェックしたか
  • ライバー本人が台本のNG部分を理解・把握しているか

8. 社内教育・台本審査で再発を防ぐ

禁止ワード問題の根本解決は「仕組みで防ぐ」ことだ。個人の記憶や注意力に依存した管理では、配信回数が増えるほどリスクが積み重なる。

8-1. 社内の台本審査フロー

1. 日本語で商品訴求ポイントを整理(マーケ担当)
2. 中国広告法・業種規制を踏まえた表現に変換(コンプライアンス担当またはTPパートナー)
3. 中国語台本を完成させる(ライバーまたは翻訳者)
4. 台本を配信前にチェックリストで審査(日中2名以上)
5. ライバーへの表現禁止リスト共有・確認サイン

8-2. ライバーへの事前ブリーフィング

起用するライバーが禁止表現を知っていても、「この商品は問題ない」と自己判断して使ってしまうリスクがある。特に以下の点を毎回確認する:

  • 商品カテゴリに応じた追加禁止ワードリストの共有
  • 「この表現は日本では普通だが中国ではNG」という具体例の提示
  • 配信中に迷ったら言い換えるデフォルト表現集の準備

8-3. CNavi研修での体系学習

中国ライブコマースの法規制・プラットフォーム規約・業種別コンプライアンスを体系的に理解するには、単発の情報収集ではなく実務に即した研修プログラムが効果的だ。CNaviでは行知学園グループの中国知見をベースに、禁止表現対策を含む「中国向けライブコマース実践ノウハウ」を法人向けに提供している。

研修費用は人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の対象となる可能性がある(審査制・支給保証なし。2026年改正により、助成申請時には受講料の価格根拠を示す疎明書の提出が必要)。制度の詳細はライブコマース研修×助成金の完全ガイドで確認してほしい。


まとめ

抖音ライブコマースにおける禁止ワード・NG表現は、中国広告法の規制とプラットフォーム規約の2層構造で管理されている。日本企業にとって特に危険なのは以下の3点だ:

  1. 最上級表現・効能断定表現(全業種に適用)
  2. 業種別規制(化粧品・食品・健康食品・医療機器)
  3. 日本語から中国語への直訳による意図せぬ違反

配信停止やアカウント停止は復旧に時間と費用がかかり、販売機会の損失に直結する。台本審査フロー・ライバーへの事前教育・配信前チェックリストの3点セットを仕組みとして整備することが、長期的に中国市場で売り続けるための前提条件だ。


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