助成金活用
ライブコマース研修助成金|常時使用労働者数の正しい数え方【パート・派遣・外国人スタッフ】2026年版
ライブコマース研修助成金|常時使用労働者数の正しい数え方【パート・派遣・外国人スタッフ】2026年版
POINT|この記事の結論
- 事業展開等リスキリング支援コースの助成率は「常時使用労働者数」で中小企業区分が決まる。誤算定すると受給額が大幅に変わる
- パートタイマー・アルバイトは「週所定労働時間が20時間以上かつ31日以上雇用見込み」なら原則カウントする
- 派遣社員は「派遣元事業主」の労働者数に計上。自社への派遣受け入れ人数は原則カウントしない
- 外国人スタッフは雇用形態・在留資格問わず、雇用保険被保険者であれば算定対象
- 算定タイミングは「計画届提出日」時点が基準。事前に正確な人数を確認しておくこと
- 中小企業区分だと経費助成率が最大75%(大企業は最大60%)になるが、審査制・支給保証なし
はじめに:「うちは中小企業のはず」という思い込みが危ない
ライブコマース研修に事業展開等リスキリング支援コースを活用する際、助成率は企業規模によって異なる。中小企業であれば経費助成率が高く設定されているため、「自社は中小企業だから高い助成率が適用される」と思い込んでいる担当者は多い。
しかし実際には、「常時使用労働者数」の算定を誤ると、中小企業のつもりが大企業扱いになり、助成率が下がるというケースが存在する。特にパートタイマーを多く雇用しているサービス業・小売業・EC事業者では注意が必要だ。
この記事では、事業展開等リスキリング支援コースにおける常時使用労働者数の正確な算定方法と、雇用形態別の扱いを実務的に解説する。
1. なぜ「常時使用労働者数」が助成金に影響するのか
中小企業と大企業で助成率が変わる
事業展開等リスキリング支援コースでは、受給額を計算する際に企業規模が重要な変数となる。
| 企業区分 | 経費助成率(上限) | 賃金助成(1人・1時間) |
|---|---|---|
| 中小企業 | 最大75% | 960円 |
| 大企業 | 最大60% | 480円 |
※ 助成率・助成額は2026年度時点。審査制であり、支給を保証する制度ではない。
中小企業と大企業では経費助成率で15ポイント、賃金助成で2倍の差がある。研修費100万円・受講者10名の場合、助成額の差は数十万円規模になりうる。
「常時使用労働者数」が中小企業区分を決める
雇用保険法上の「中小企業」は、業種ごとに資本金規模または常時使用労働者数の両方で判定される。どちらか一方でも中小企業の基準を満たせば中小企業扱いとなる(有利な方を適用)。
| 業種 | 資本金 | 常時使用労働者数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業・小売業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
ライブコマース事業者の多くはサービス業・小売業に分類される。「常時使用労働者数が100人以下」が中小企業区分の上限であり、パートやアルバイトを多数抱える事業者は特に算定が重要になる。
2. 算定の基本ルール:「常時使用」とは何か
「常時使用」の定義
「常時使用する労働者」とは、次のすべてを満たす者を指す。
- 事業主と労働契約(雇用契約)を締結している
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用見込みがある
単発・1日単位の短期アルバイトは通常含まれない。一方で、「フルタイムでないとカウントしない」は誤りであり、週20時間以上であれば短時間勤務のパートタイマーもカウント対象となる。
算定タイミング
常時使用労働者数は「訓練計画届の提出日時点」で確認される。申請前の任意の時点を使うのではなく、計画届を提出する日の実際の在籍数を把握しておく必要がある。
季節変動で雇用数が増減する事業者(繁忙期にアルバイトを増やす飲食・EC事業者など)は、申請タイミングによって算定数が変わることを認識しておきたい。
3. 雇用形態別の算定方法
パートタイマー・アルバイト
原則:週20時間以上・31日以上雇用見込みならカウントする
よくある誤解として「パートは半分カウント」という理解があるが、これは誤りだ。雇用保険の被保険者資格があるパートタイマーは1名として算定する。
ただし次のケースは除外される:
- 週所定労働時間が20時間未満の超短時間労働者
- 日雇い・1週間単位の短期雇用
- 試用期間中であっても、本採用が予定されていれば含む
実務上の確認ポイントは「雇用保険の被保険者名簿」を見ること。雇用保険に加入している者は基本的に常時使用労働者に含まれる。
派遣社員(派遣労働者)
派遣社員は「派遣元事業主」の労働者数に算入される
自社が派遣先として派遣労働者を受け入れている場合、その派遣労働者を自社の常時使用労働者数にカウントする必要はない。派遣社員はあくまで派遣元(人材派遣会社)と雇用契約を結んでいる労働者だからだ。
一方、自社が派遣元として派遣社員を他社に送り出している場合、その派遣社員は自社の常時使用労働者数に含まれる。
| 自社の立場 | 派遣社員の扱い |
|---|---|
| 派遣先(受け入れ側) | カウントしない |
| 派遣元(送り出し側) | カウントする |
ライブコマース事業者が制作・運用スタッフを派遣会社から調達しているケースでは、受け入れた派遣社員は自社人数に含まれない点を確認しておくこと。
外国人スタッフ
雇用保険に加入している外国人社員はカウントする
外国人スタッフの在留資格が「就労可能」であり、雇用保険の被保険者となっているなら、国籍問わず常時使用労働者数にカウントする。
TikTok Shop運用や中国語ライブコマースの配信スタッフとして外国人を雇用するEC事業者も増えているが、算定の考え方は日本人社員と同じだ。
ただし「特定活動(外交・公用)」や「留学ビザで資格外活動として働く学生アルバイト**(週28時間以内制限)**」は雇用保険加入が難しいケースもあり、実態に即して確認が必要だ。
役員・家族従業員
原則として法人の取締役・役員は算定対象外。ただし「使用人兼務役員」(役員であると同時に部長・課長などの従業員でもある者)は、一般的な労働者として実態があれば含まれるケースがある。
家族従業員(個人事業主の配偶者・子など)は、雇用保険に加入できないことが多く、算定外になる場合が多い。
在宅ワーカー・テレワーク社員
勤務場所は関係ない。テレワーク・在宅ワーカーも雇用契約があり週20時間以上であればカウントする。リモートで中国語ライブコマースの分析業務を担うスタッフも算定対象だ。
4. 算定例:EC事業者・サービス業での具体ケース
ケース1:ライブコマース参入中の小売EC事業者(従業員混在型)
| 雇用形態 | 人数 | 週労働時間 | カウント |
|---|---|---|---|
| 正社員 | 15名 | 40時間 | ✅ 15名 |
| パート(週25時間) | 20名 | 25時間 | ✅ 20名 |
| パート(週15時間) | 10名 | 15時間 | ❌ 0名 |
| 派遣受け入れ | 5名 | 40時間 | ❌ 0名(派遣元算定) |
| 外国人社員(在籍・雇保加入) | 3名 | 40時間 | ✅ 3名 |
合計:38名 → サービス業100人以下 → 中小企業区分
ケース2:繁忙期対応が多い食品EC事業者
| 状況 | 繁忙期(12月) | 閑散期(2月) |
|---|---|---|
| 正社員 | 30名 | 30名 |
| パート(週20時間以上) | 80名 | 20名 |
| 合計 | 110名 | 50名 |
計画届を12月に提出すると合計110名となり、サービス業の中小企業上限(100名)を超えるため大企業扱いになる可能性がある。同じ会社でも申請タイミングで中小企業区分が変わりうる点に注意が必要だ。
繁忙期に人員が膨らむ事業者は、閑散期に計画届を提出するという戦略も検討に値する。ただし訓練開始時期との整合を確認すること。
5. 算定ミスで起こる具体的なリスク
リスク①:助成率の格下げ
中小企業として申請したが、算定ミスで実際は101名以上だった場合、後から大企業扱いに修正されることがある。差額の助成金を受け取れないだけでなく、返還請求が発生するリスクもある。
リスク②:申請書類の不一致
計画届に記載した常時使用労働者数と、実際の雇用保険被保険者数が大きく乖離している場合、審査で指摘を受け、追加書類の提出を求められることがある。
リスク③:期中変動による区分変更
研修期間中に採用強化などで労働者数が増加し、中小企業区分を超えた場合、支給申請時の助成率に影響することがある。大型採用計画がある時期の前に計画届を出す場合は注意が必要だ。
6. 正確な算定のための実務チェックリスト
計画届提出前に以下を確認しよう。
- 雇用保険被保険者台帳を最新の状態に更新している
- 週所定労働時間を各雇用契約書で確認した
- 派遣受け入れ社員を除外した
- 役員のうち使用人兼務役員の扱いを確認した
- 外国人社員の雇用保険加入状況を確認した
- 季節変動がある場合、申請タイミングの人数を把握した
- 業種区分(サービス業か製造業か)を正確に把握した
- 資本金基準でも中小企業判定ができるか確認した
7. CNavi研修なら算定サポートも対応
CNavi TikTok Shop Campusでは、助成金申請の事前相談から常時使用労働者数の算定確認を含む申請実務のサポートを行っている。
「パートが多くて自社が中小企業かどうか判断がつかない」「申請タイミングをどうすれば助成率を最大化できるか」といった相談を無料個別相談で受け付けている。
担当者が個別の状況を聞いたうえで、申請可否の見立てと最適な進め方を提案する。
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よくある質問(FAQ)
Q. 雇用保険に入っていないパートは算定に含めますか?
A. 週20時間未満や31日未満雇用見込みで雇用保険に加入できないパートは、常時使用労働者数から除外されます。ただし雇用実態が週20時間以上あれば加入義務が生じる可能性があるため、雇用保険の適用状況を再確認することをお勧めします。
Q. 業務委託・フリーランスの外注スタッフは?
A. 雇用契約でなく業務委託契約のフリーランスは算定対象外です。ただし実態として指揮命令下にある場合は労働者性が問われる可能性があります。
Q. 有期雇用(1年契約・半年契約)の社員は?
A. 31日以上の雇用見込みがあれば有期雇用でも算定対象です。自動更新・反復更新の実態がある場合も含みます。
Q. 算定を誤った場合、後から修正できますか?
A. 計画届提出前であれば修正可能です。支給申請後に発覚した誤りは返還リスクが生じるため、事前確認が重要です。申請前に所轄のハローワーク・労働局に確認することを強く推奨します。
Q. 資本金が小さければ労働者数が多くても中小企業になりますか?
A. 資本金基準と労働者数基準はどちらか一方を満たせば中小企業扱いです。例えばサービス業で常時使用労働者数が150名でも、資本金が5,000万円以下であれば中小企業区分が適用されます。
まとめ
| 雇用形態 | カウントの原則 |
|---|---|
| 正社員 | カウントする |
| パート(週20時間以上・31日以上) | カウントする |
| パート(週20時間未満) | カウントしない |
| 派遣受け入れ | カウントしない |
| 派遣送り出し(自社が派遣元) | カウントする |
| 外国人社員(雇保加入) | カウントする |
| 役員(純粋な役員) | カウントしない |
| 業務委託・フリーランス | カウントしない |
常時使用労働者数の算定は「雇用保険被保険者名簿」を起点に確認するのが最も確実だ。申請タイミングの選択も助成率に影響するため、事前に余裕をもって確認・相談することを推奨する。
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