助成金活用

ライブコマース研修の助成金に「社内講師」は使えるか?条件と注意点【2026年版】

読了時間:約8CNavi編集部
ライブコマース研修の助成金に「社内講師」は使えるか?条件と注意点【2026年版】

ライブコマース研修の助成金に「社内講師」は使えるか?条件と注意点【2026年版】


POINT|結論

チェック項目 結論
社内講師の人件費を経費助成の対象にできるか 原則できない(通常の給与として支払われる内部コストは経費助成の対象外)
社内講師の研修でも賃金助成は受けられるか 受けられる可能性あり(OFF-JT要件を満たした対面型であれば)ただし要件あり
eラーニング型で社内講師を使った場合 賃金助成は対象外(2026年改正により)
社内講師のみで完結する研修の採択率 低くなりやすい(経費助成の対象費目がほぼゼロになるため申請メリットが薄い)
現実的な推奨設計 外部研修会社に委託 + 社内OJTの組み合わせが最も助成効率が高い

社内の人材を講師にしてコストを抑えたいという発想は自然ですが、助成金の設計上、「社内講師のみ」ではほとんどの場合メリットが得られません。本記事では、なぜそうなるのか、どこまで社内で完結させてよいのか、法人の人事・経営担当者が知っておくべき実務ポイントを2026年改正対応で解説します。


1. 助成金の仕組みをおさらい——何に対してお金が出るのか

まず前提として、ライブコマース研修に活用できる**人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」**の助成構造を確認します。

1-1. 経費助成と賃金助成の2本立て

この助成金には大きく2種類の支援があります。

① 経費助成 研修にかかった「費用(経費)」の一部を補助する仕組みです。中小企業の場合、助成率は最大75%とされていますが、これは審査を経て支給が決まるものであり、全員に支給が保証されるものではありません(支給保証はありません)。

② 賃金助成 従業員がOFF-JT(職場外訓練)を受けている間の賃金の一部を補助する仕組みです。受講1時間あたりの助成単価は年度・企業規模によって異なります。最新の単価は支給要領で必ず確認してください。

1-2. 「助成対象経費」として認められる費目

経費助成で認められる主な費目は以下の通りです。

  • 外部研修会社に支払う受講料・委託費
  • 研修用テキスト・教材費(合理的な範囲内)
  • 外部会場を使う場合の会場費(一部条件あり)

一方、**認められないのが「社内の人件費」**です。社内講師が研修を担当するために費やした時間・給与は、通常の業務遂行コストと見なされ、経費助成の対象にはなりません。


2. 社内講師を使った場合に何が起きるか

2-1. 経費助成の対象費目がゼロに近づく

たとえば、社内の上級ライバーやECマネージャーが後輩スタッフに対してライブコマースの技術を教える形式を採った場合、支出として計上できる費目は基本的にテキスト代と会場費(社内会議室なら対象外)のみになります。

社内講師の給与・時間コストは対象外ですので、「経費」としての実績金額が極めて小さくなります。経費助成は実績額に対して助成率を掛けるため、対象経費が少ないほど助成金の絶対額も小さくなります。

2-2. 賃金助成は「受講者」の賃金が対象

重要な点として、社内講師の賃金ではなく、受講者(受ける側の従業員)の賃金が賃金助成の対象です。つまり「研修を受けている時間の受講者の賃金」を補助してもらえる仕組みです。

  • 社内講師による研修であっても、受講者がOFF-JTの要件を満たした時間を受けている場合、賃金助成は申請できる可能性があります
  • ただし、eラーニング型・自主学習型は2026年改正により賃金助成の対象外となりました
  • 研修が「職場の通常業務の延長」と判断される場合は、OFF-JTとして認定されないリスクがあります

2-3. OFF-JT要件と社内実施の難しさ

事業展開等リスキリング支援コースで助成を受けるには、訓練がOFF-JT(業務から切り離された計画的な訓練)として実施されることが求められます。

社内講師による研修がOFF-JTとして認められるためには、以下の点を明確にする必要があります。

  • 訓練時間中は通常業務を行わないことの証明(タイムシート・出席記録)
  • 体系的な訓練カリキュラムが事前に設計・届出されていること(訓練計画届の内容との整合性)
  • 受講者と指導者の役割が明確に分離されていること

「先輩社員が業務の合間に教える」というスタイルはOJTであり、OFF-JTとしては扱えません。


3. 「社内講師 + 外部委託」のハイブリッド設計

社内の知見を活かしながら助成金を最大化するには、以下のような組み合わせが実務上有効です。

3-1. 外部研修でOFF-JT部分を担い、社内OJTで定着させる

フェーズ 実施方法 助成対象
OFF-JT(知識・スキル習得) 外部研修会社(CNavi等)のプログラムを受講 経費助成 + 賃金助成
OJT(実務適用) 社内ライバーやマネージャーが指導 賃金助成(OJT加算)※要件あり

この設計であれば、外部委託費が経費助成の対象となり、かつ社内の知見・文化も研修に組み込めます。

3-2. 外部講師を招聘して社内実施する場合

外部の専門家(ライブコマースコンサルタント・元主播など)を自社に招いて研修を行う「外部講師派遣型」も選択肢です。この場合、講師謝金・テキスト代が経費助成の対象になります。ただし外部講師の費用相場と疎明書の準備が必要です(後述)。


4. 2026年改正で押さえるべき2点

4-1. 疎明書(受講料価格根拠書類)の提出義務化

2026年改正により、外部研修会社に支払う受講料については、受講料の価格根拠を示す疎明書の提出が実質的に必須となりました。外部研修会社が正規のカリキュラムと価格体系を持っていれば通常クリアできますが、「知り合いのコンサルタントに頼んだ」というケースでは価格根拠の説明が困難になるため注意が必要です。

→ 詳細は疎明書とは?受講料の価格根拠を問われる理由と対策を参照。

4-2. eラーニング型は賃金助成対象外

動画教材のみで完結するeラーニング型の研修は、2026年改正により賃金助成の対象外となりました。社内作成の動画マニュアルを用いた研修はもちろん、外部のeラーニングサービスを受講させた場合も賃金助成は受けられません。

→ 詳細はeラーニング型ライブコマース研修は賃金助成の対象外【2026年改正】を参照。


5. 「社内講師のみ」で進めることのリスク

5-1. 申請しても助成金額が少ない

社内講師の人件費が経費算入できない以上、経費助成の対象金額は極めて小さくなります。仮に助成率75%(最大、審査通過が前提・保証なし)が適用されても、テキスト代数万円×75%では申請コスト(社労士費用、書類整備の工数)を回収できません。

5-2. 審査官からの指摘リスク

訓練計画の内容が「通常の業務指導(OJT)と区別できない」と判断された場合、OFF-JT時間として認められず、不支給・返還のリスクがあります。

5-3. 疎明書の準備が困難

社内講師の場合、受講料という概念がないため疎明書の提出自体が成立しません。外部コストがない研修では、経費助成の申請の枠組みに乗せることが難しくなります。


6. 助成金を最大化する実務推奨フロー

  1. 外部研修会社(CNavi等)にOFF-JT部分を委託して、経費助成と賃金助成の両方を確保する
  2. 受講終了後の現場OJTは社内講師が担当し、実務定着を図る(OJTは経費助成の対象外だが、社内リソースで効率的に回せる)
  3. 外部研修会社が疎明書を発行できる体制かどうかを事前に確認する
  4. 訓練計画届の作成・提出前に管轄の労働局ハローワークへ相談する(無料)

CNavi(シーナビ)では、申請から修了後の実績報告まで助成金の手続きをサポートしています。社内講師との役割分担の設計についても、無料の個別相談でご一緒に確認できます。


7. FAQ

Q1. 社内の中国語ネイティブ社員をライブコマース研修の講師にして助成金を申請できますか?

A. その社員の人件費を助成対象経費に算入することは原則できません。ただし、その社員が受講者として別のプログラムを受ける場合は、受講者の賃金助成が申請できる可能性があります。社内知見を活かすなら「外部研修+社内OJT」の設計がお勧めです。

Q2. 社内でカリキュラムを設計して、外部講師に「その通りに教えてもらう」形はどうですか?

A. 外部講師に支払う謝金は経費助成の対象になります。ただし、謝金の単価根拠(疎明書相当の資料)が必要です。また、外部講師が「実質的に自社の業務指示に従うだけ」と見なされると、外部委託として認定されないリスクがあります。外部講師が自らの専門性に基づいてカリキュラムを組む形が望ましいです。

Q3. 社内の研修担当者(HRBPや研修企画スタッフ)の業務時間は経費に入りますか?

A. 入りません。研修を企画・管理するための社内人件費は通常の業務コストとして扱われ、助成対象経費にはなりません。

Q4. 外部研修会社に委託した部分と社内OJTを組み合わせた場合、OJT部分の賃金助成は受けられますか?

A. 一定要件を満たせば、OJT加算として賃金助成が受けられるケースがあります。訓練計画にOJT部分をどう盛り込むかは、管轄の労働局またはCNaviの無料相談でご確認ください。条件は年度・コース設計により異なります。

Q5. 2026年以降、社内研修に関するルールは変わりましたか?

A. 主な2026年改正は「疎明書義務化」と「eラーニング型の賃金助成対象外化」です。社内講師の扱い自体に大きな制度変更はありませんが、外部委託コストの証明をより厳格に求める方向性は社内実施の経費算入をさらに難しくしています。


まとめ

判断ポイント 推奨
社内講師の人件費を経費算入したい 難しい。外部委託コストで経費助成を確保する設計へ
社内OJTを活かしたい 外部OFF-JT + 社内OJTのハイブリッドが最適解
eラーニング主体で検討中 賃金助成が受けられないため、対面・集合型を組み合わせる
疎明書・書類準備が不安 外部研修会社(CNavi等)が発行する証明書類で対応

社内講師を軸にライブコマース研修を設計すると、助成金の実質的なメリットが得にくくなります。「社内の知見 × 外部の専門カリキュラム」を組み合わせることが、助成金を活用しながら研修効果を最大化する現実的な方法です。


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※本助成金は審査制です。支給は保証されません。「最大75%」の助成率は中小企業向けの上限であり、実際の支給額は審査結果・実績費用により異なります。申請・支給に関しては必ず管轄の都道府県労働局またはハローワークへご確認ください。

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