助成金活用

複数事業所でライブコマース研修の助成金を申請する方法【2026年版・拠点展開企業向け】

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複数事業所でライブコマース研修の助成金を申請する方法【2026年版・拠点展開企業向け】

複数事業所でライブコマース研修の助成金を申請する方法【2026年版・拠点展開企業向け】

POINT|この記事の結論

  • 事業展開等リスキリング支援コース(人材開発支援助成金)は、原則**「雇用保険適用事業所ごと」の申請**が基本単位
  • 本社まとめ申請は条件次第で可能:同一法人内かつ訓練計画が本社主導で一元管理されていれば、労働局は本社所在の局への一括届け出を認めるケースがある(事前確認必須)
  • 合同訓練(複数事業所の従業員を一堂に集めて研修)は原則OK。ただし出席簿・賃金台帳は事業所別に整備する
  • eラーニング型のみは賃金助成対象外(2026年改正)。遠方拠点の社員を集合型に組み込む設計が重要
  • 疎明書(受講料の価格根拠)は2026年改正で事実上義務化。複数事業所分まとめて出せる書類かを研修会社に確認する
  • 助成金は審査制・後払い・採択保証なし。記事内の助成率はあくまで制度上の上限であり、審査結果により変動する

なぜ「複数事業所」の助成金申請は混乱しやすいのか

ライブコマース研修の助成金申請で、多店舗チェーン・グループ会社の人事担当者が最初につまずくポイントが「どの事業所名義で申請するのか」という問題です。

人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)は、雇用保険の適用事業所を単位として手続きが進みます。複数の雇用保険番号を持つ会社は、原則として番号ごとに管轄の都道府県労働局(ハローワーク)が異なります。本社が東京でも、大阪・福岡の支店に所属する従業員の訓練は、それぞれの管轄局に届け出が必要になる、というのが基本ルールです。

ただし「全員をバラバラに申請するしかないのか」というと、そうでもありません。本記事では2026年改正の最新情報を踏まえ、複数拠点を持つ法人が助成金を効率よく活用するための具体的な手順と戦略を解説します。


基本の確認:事業展開等リスキリング支援コースとは

まず前提を整理します。ライブコマース研修に使える主な助成金は**人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」**です(以下「本コース」)。

項目 内容(2026年度)
対象 新規事業(ライブコマース含む)に伴うリスキリング研修
経費助成率 中小企業:最大75%、大企業:最大60%(※審査制・保証なし)
賃金助成 研修中の賃金の一部(1時間あたりの定額)
賃金助成の除外 eラーニング型のみの研修は対象外(2026年改正)
疎明書 受講料の価格根拠書類の提出が必須(2026年改正)
支給方式 後払い(訓練完了・実績報告後)

「最大75%」は制度上の上限であり、支給額は審査により変動します。「国が認めた」「採択保証」といった表現は事実と異なります。


複数事業所での申請パターン:4つのケース

ケース1:事業所ごとに個別申請(原則パターン)

最も確実な方法です。雇用保険番号ごとに管轄のハローワーク(都道府県労働局)へ訓練計画届を提出します。

メリット

  • 手続きがシンプルで担当窓口が明確
  • 拠点ごとに研修内容・スケジュールを柔軟に設定できる

デメリット

  • 事業所数が多いほど書類作成・提出の工数が増加
  • 管轄労働局が複数にまたがる場合、担当者ごとに解釈のブレが生じる可能性

実務のポイント:事前相談は各拠点の管轄ハローワークに個別に行うことを推奨します。東京本社が全拠点分をまとめて東京労働局に相談しても、大阪拠点の分については「大阪労働局に聞いてください」となるケースがあります。


ケース2:本社まとめ申請(要件確認必須)

同一法人内で本社が訓練計画を一元管理し、本社所在地の都道府県労働局に一括で届け出る方法です。

認められやすい条件

  • 全拠点が同一の法人格(グループ会社・子会社は別法人なので不可)
  • 訓練計画の策定・研修費用の支払い・受講管理を本社が一元的に行う
  • 受講者の雇用保険被保険者資格が確認できる

注意点

  • 労働局によって対応が異なる。必ず申請前に本社所在地の都道府県労働局の需給調整・雇用均等部門に事前相談を行う
  • 複数事業所の賃金台帳・出勤簿は事業所ごとに分けて保管する必要あり
  • 計画届に「対象事業所一覧」を添付するよう求められることが多い

現実的な運用:まとめ申請が認められた場合でも、提出書類のボリュームは個別申請時と大差ない場合があります。ただし「窓口が一本化される」という管理上のメリットは大きく、担当者の工数削減につながります。


ケース3:合同訓練(複数拠点の社員を集めて一括研修)

複数の事業所の従業員を一か所に集めて合同で研修を受けさせる方法です。ライブコマース研修では最も現実的な選択肢の一つです。

合同訓練のメリット

  • 研修コストの集約(会場費・講師費の分散)
  • ライブコマースは「実際に配信してみる実習」が重要であり、複数名が集まったほうが効果的
  • 助成金の観点でも、訓練実施記録(出席管理)が一か所で完結しやすい

申請上の注意点

  • 訓練計画届は、受講者の雇用保険が紐づく各事業所の管轄ハローワークに提出する必要がある(合同でも申請先は事業所別)
  • 出席簿には「どの事業所所属か」を明記する
  • 賃金助成を申請する場合、訓練中の賃金の支払い元(事業所)が明確でなければならない

ケース4:グループ会社(別法人)間の活用

親会社・子会社・関連会社など異なる法人格を持つグループ間では、助成金の合算申請はできません。各社がそれぞれ独立して申請します。

ただし以下のような「協力スキーム」は合理的です:

  1. グループ会社間で研修を共同購買:研修会社との交渉を親会社が一括で行い、費用は各社が按分で支払う形にすると疎明書の準備が楽になる
  2. 研修ノウハウの共有:一社が先行して研修を受け、社内での「横展開」として他社に紹介。他社も改めて研修を発注・助成金申請するパターン

グループ会社間で注意が必要なのは、「同一グループだからまとめてOK」という誤解です。法人格が異なる以上、助成金の申請主体は別々になります。


2026年改正対応:複数事業所で特に注意すべきポイント

疎明書(受講料価格根拠書類)の整備

2026年改正により、受講料の価格が市場水準に照らして妥当であることを示す「疎明書」の提出が事実上必須となりました。

複数事業所でまとめて同一の研修を受講させる場合、疎明書は1通で複数拠点分をカバーできることが多いというメリットがあります。ただし研修会社によっては事業所ごとに発注書・請求書が分かれる場合もあり、その場合は各事業所分の疎明書を個別に準備する必要があります。

事前に研修会社に確認すべきこと

  • 疎明書(価格根拠書類)を発行できるか
  • 複数事業所に跨る発注をまとめた書類にできるか
  • 類似研修の市場相場データを提供できるか

eラーニング型は賃金助成対象外

遠方拠点の社員を集合型研修に参加させる際の交通費・宿泊費の問題から、「eラーニングで対応できないか」と考える企業は多いです。しかし2026年改正により、eラーニング型のみの研修は賃金助成の対象外となりました。

経費助成のみを申請するならeラーニング型でも構いませんが、賃金助成(1時間あたり定額)を組み合わせて最大限活用したい場合は、対面・集合型(または対面+eラーニング混合型)の設計が必要です。

遠方拠点の社員に対しては、「定期的に本社・近隣拠点に集めての集合研修+各自のeラーニングフォローアップ」という設計が現実的です。


複数事業所で助成金を効率よく活用する3つの戦略

戦略1:本社HR主導で「訓練計画の標準化」を行う

複数拠点が個別に研修会社を選定・申請を行うと、疎明書の内容にばらつきが生まれたり、計画届の記載が統一されずに労働局から追加書類を求められたりします。

本社のHR部門が「ひな型」を作り、全拠点に展開することで書類作成の質と効率を同時に上げることができます。具体的には:

  • 訓練計画届のひな型(事業所名・研修内容・日程の箇所のみ差し替え)
  • 疎明書のフォーマット統一
  • 受講後の実績報告書の記載基準の明文化

戦略2:合同研修で「実質負担額」を最小化する

ライブコマース研修は集合型で実施することで研修の質も上がります。複数拠点の担当者を一堂に集めた合同研修を組み、経費助成(最大75%、審査制)を活用することで1名あたりの実質負担額を大幅に削減できます。

→ 詳しくはライブコマース研修の助成金で実質負担額を最小化する方法も参照。

戦略3:「複数名一括受講」で助成上限を最適化する

複数事業所・複数名をまとめて申請する際は、1事業所あたりの受講者数と訓練時間を設計することで、助成上限枠を最大限活用できます。

複数名一括受講で助成上限を最適化する方法で具体的なシミュレーションを紹介しています。


実務フローまとめ:複数事業所の申請ステップ

1. 本社HRが研修会社を選定・疎明書確認(全拠点共通)
2. 本社が訓練計画届ひな型を作成
3. 各事業所が管轄ハローワークに事前相談(※本社まとめ申請の可否を確認)
4. 研修開始の1ヶ月前までに各管轄労働局へ計画届提出
5. 合同研修の実施(出席簿は事業所別に整備)
6. 訓練完了後2ヶ月以内に実績報告書提出(各管轄ごと)
7. 支給決定(審査後・後払い)

→ 全体の申請タイムラインは年度内にライブコマース研修の助成金を間に合わせる逆算スケジュールを参照。


よくある質問(FAQ)

Q. フランチャイズ本部が加盟店に研修を受けさせる場合は?
A. 加盟店が独立した法人・個人事業主の場合、助成金の申請主体は各加盟店になります。フランチャイズ本部が申請することはできません。ただし、本部が研修を一括手配し、加盟店が費用を負担する形での「共同購買」は合理的です。各加盟店が雇用保険の適用事業所であれば、それぞれが助成金を申請できます。

Q. 同一都道府県内の複数店舗はまとめて申請できるか?
A. 同一管轄のハローワーク・労働局に対してであれば、まとめて申請の相談がしやすい環境にあります。ただし依然として「雇用保険番号(事業所番号)単位」が基本なので、事前に管轄局に確認してください。

Q. 役員は受講対象になるか?
A. 原則として雇用保険の被保険者でない役員(委任契約の役員)は対象外です。使用人兼務役員で雇用保険に加入している場合は対象となるケースがありますが、事前確認が必須です。

Q. 複数拠点で同じ研修を同時期に実施した場合、疎明書は共通でよいか?
A. 同じ研修会社・同じカリキュラム・同じ受講料の場合は、通常1通の疎明書で対応できます。ただし個別発注の場合は各事業所分の書類が必要になることがあります。

Q. 助成金の支給は確実にされるか?
A. 助成金は審査制であり、支給が保証されているものではありません。審査の結果、不支給または減額になるケースもあります。事前に労働局・社労士に相談の上、申請要件を十分に確認してください。


ライブコマース研修の助成金活用に迷ったら

複数事業所の助成金申請は、事前確認と書類の標準化で工数を大幅に削減できます。しかし「どの拠点からどう申請するか」「疎明書は共通でよいか」など、判断に迷う場面も多いはずです。

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