助成金活用
中国式ライブコマース研修は助成金対象になるか?法人担当者が押さえる判断基準【2026年】
中国式ライブコマース研修は助成金対象になるか?法人担当者が押さえる判断基準【2026年】
POINT|この記事の結論
- 中国の頭部ライバー(李佳琦・薇婭)の販売手法や抖音・淘宝ライブの技術を学ぶ研修も、「事業展開等リスキリング支援コース」の助成対象になり得る
- 助成金の審査は「研修の産地・手法の国籍」ではなく、**「受講者(日本の雇用保険加入者)のスキルが業務上向上するか」**で判断される
- 2026年改正により「疎明書(受講料の価格根拠資料)」の添付が義務化。研修会社が発行できるか事前確認が必須
- eラーニング型のみの研修は賃金助成の対象外(経費助成のみ)。対面・集合型を含む設計が有利
- 助成金は審査制・後払い。採択保証・支給保証はなく、受給額は審査結果次第
「中国式」研修に助成金が使えるか?疑問の背景
ライブコマース研修を検討している人事・総務担当者から、よく出てくる質問があります。
「中国のライバー手法を教える研修は、日本の助成金の対象になるのでしょうか?」
結論から言えば、なり得ます。ただし「中国式だから」自動的に対象になるわけではなく、一般的な研修と同様の要件を満たすことが前提です。本記事では、この判断に必要な基準をすべて整理します。
事業展開等リスキリング支援コースの基本構造
まず制度の前提を確認します。「事業展開等リスキリング支援コース」は、人材開発支援助成金の一コースです。企業が新たな事業展開や業務転換に向けて従業員に研修を実施した場合に、経費の一部と訓練期間中の賃金の一部が助成されます。
助成の2本柱
| 助成タイプ | 内容 | 助成率(中小企業) |
|---|---|---|
| 経費助成 | 受講料・テキスト代など | 最大75%(審査制・支給保証なし) |
| 賃金助成 | 訓練中の賃金負担の一部 | 960円/時間(上限あり) |
※助成率・金額は2026年時点の公表値をもとにした参考値。実際の支給額は審査結果によって異なります。「最大75%」は審査通過かつ要件完全充足の場合の上限であり、採択を保証するものではありません。
助成金が「中国式研修」に適用される理由
審査基準は「手法の国籍」ではなく「受講者のスキル向上」
厚生労働省の事業展開等リスキリング支援コースにおける訓練の要件は、大きく次の3点です。
- 雇用保険適用事業所の事業主が実施(または外部委託)する
- 雇用保険の被保険者が受講する
- 新たな事業展開・業務転換のために業務上必要なスキルを習得させる訓練である
この要件に「研修の内容が日本国内の手法に限る」という制約はありません。中国のライブコマース技術を日本企業の事業に活用するためのスキルを習得させる研修であれば、3の「業務上必要なスキル」の要件を満たす可能性があります。
「事業展開への紐付け」が採択率を左右する
より具体的に言えば、採択審査では以下のような論理構成が重視されます。
- 事業展開の目的:「TikTok Shop・Instagram Liveでのライブ販売を新規事業として立ち上げる」など、具体的な事業計画の存在
- スキルギャップ:現在の社員が持っていない能力(中国式の限定演出・OMGトーク・台本設計など)を習得させる
- 研修後の活用計画:研修受講者が研修で得たスキルを実際の業務でどう使うか
中国式ライブコマースの具体技術(例:限定演出による購買心理の刺激、台本の階層構造、視聴者との対話テクニック)は、日本のライブコマース配信に直接転用できます。そのため「事業展開への紐付け」を明確に記述できれば、審査上の障壁は低くなります。
詳しい申請背景については ライブコマース研修の助成金 法人完全ガイド もあわせて参照してください。
中国式研修を対象にする際の3つの注意点
注意1:疎明書(受講料の価格根拠資料)の提出【2026年改正・必須】
2026年の制度改正により、受講料の妥当性を示す「疎明書」の提出が義務化されました。研修を申請する際、研修会社(外部講師)側がこの疎明書を発行できるかどうかを、事前に確認することが不可欠です。
疎明書には以下の内容が含まれます。
- カリキュラム内容と所要時間の内訳
- 講師の資格・経歴・専門性の根拠
- 受講料の算定根拠(類似研修との比較、時間単価の説明など)
中国ライブコマースを専門とする行知学園グループのような組織が講師を務める場合、中国語・中国市場に関する専門知識・渡航実績・実務経験といった固有の根拠を疎明書に記載することができます。これが「受講料の妥当性」の証明につながります。
疎明書の詳細は 疎明書・受講料の価格根拠 完全解説 を参照してください。
注意2:eラーニング型のみは賃金助成の対象外【2026年改正】
2026年改正で「eラーニングのみで完結する訓練は賃金助成の対象外」になりました。中国式ライブコマース研修をオンライン動画視聴のみで提供するプログラムの場合、経費助成は申請できても、賃金助成は受けられません。
研修を選ぶ際は、以下のどちらかの形式が含まれていることを確認してください。
- 対面(集合)型の研修セッション
- ライブ(同期型)のオンライン講義
- 実習・ロールプレイを含む双方向トレーニング
eラーニングと対面の組み合わせ型であれば、対面分について賃金助成の申請が可能です。詳しくは eラーニング型は賃金助成対象外【2026改正】 で解説しています。
注意3:訓練計画届の「訓練の目標」欄の書き方
申請書類の中でも審査担当者がよく見る箇所が「訓練の目標」欄です。ここに「中国のライブコマース技術を学ぶ」とだけ書いてしまうと、「なぜ日本企業がそれを学ぶ必要があるのか」が伝わりません。
以下のような具体性を持った目標記述が求められます。
例(不十分):中国ライブコマースの技術を習得する
例(良い):自社のTikTok Shop公式アカウントで月4回の定期配信を実施するにあたり、中国の頭部主播が実践する「限定演出」「台本設計」「コメント対話術」の技術を習得させ、配信単体での販売転換率(CVR)5%達成を目標とする
訓練計画届の書き方については、訓練計画届の作成ガイド も参考になります。
中国式ライブコマース研修が助成対象になりやすい企業の共通点
実際に申請実績のある(あるいは採択可能性が高い)企業には、いくつかの共通した条件があります。
条件1:TikTok Shop・Instagram Live等への新規参入計画がある
すでにライブコマースを運用している企業が「更に改善する」ための研修は、「新たな事業展開」という要件に合致しにくい場合があります。一方、これから新規参入する、あるいはEC事業の販路をライブコマースに拡大するという計画がある企業は、「事業展開等」という要件に合致しやすいです。
条件2:研修受講者が雇用保険の被保険者である
パート・アルバイト・業務委託の方は原則として対象外です。正社員・契約社員・派遣社員(一定条件あり)など、雇用保険に加入している従業員を受講者にする必要があります。
条件3:研修前に「訓練計画届」を労働局に提出している
事前届出が原則です。研修を終えてから申請しようとしても認められません。研修開始日の原則1か月前(実態上は余裕を持って2〜3か月前)に届出を済ませる必要があります。
中国式研修の具体的な「対象になり得るカリキュラム例」
以下は、事業展開等リスキリング支援コースの経費助成対象になり得るカリキュラムの例です。あくまで参考であり、実際の採否は審査によります。
| カリキュラム内容 | 対象可否の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 中国ライブコマースの市場構造・プラットフォーム解説(集合研修) | ○ | 業務知識習得 |
| 李佳琦・薇婭の販売スクリプト分析と日本語版への応用演習(対面) | ○ | 実践スキル習得 |
| TikTok Shop配信の実習・ロールプレイ(対面またはライブオンライン) | ○ | 実務演習 |
| 中国語のライブコマース動画を字幕で視聴する自習コンテンツのみ | △ | 経費助成のみ(賃金助成は対象外) |
| 中国向けクロスボーダーEC向け配信(日本国内の業務でない場合) | 要確認 | 事業計画との整合確認 |
申請の流れ(概要)
中国式ライブコマース研修を助成金申請と組み合わせる場合の流れは、一般的なケースと同様です。
- 事業展開計画の確認:ライブコマース新規参入・拡大の具体的な計画を社内で固める
- 研修会社の選定:疎明書発行・社労士連携ができるパートナーを選ぶ
- 訓練計画届の提出:労働局へ研修開始前に提出(原則1か月前以上)
- 研修の実施:計画通りの日程・内容・受講者で実施
- 支給申請:研修完了後、支給申請書類を提出
- 審査・支給決定:審査を経て助成金が支払われる(研修費の後払い)
詳細な流れは ライブコマース研修 助成金 申請の全体像 でも解説しています。
CNavi(シーナビ)の研修が適合しやすい理由
CNavi TikTok Shop Campusを運営する行知学園グループは、中国語教育・中国市場研究において30年以上の知見を持つ専門機関です。研修は以下の点で助成金申請と相性がよい設計になっています。
- 対面・集合型セッションを含むカリキュラム(eラーニングのみではない)
- 疎明書の発行対応が可能(講師の中国市場経歴・専門性を文書化)
- 申請サポート:社労士連携の申請代行サービスも紹介可能
ただし、あくまで採択は厚生労働省の審査によるものです。「CNavi受講=採択保証」ではなく、企業側の計画書・書類の精度も採択率に影響します。
よくある質問(FAQ)
Q. 中国語でのライブ配信を学ぶ研修も対象になりますか?
A. 日本国内の事業(例:在日中国人向けのライブ販売、訪日中国人向けのインバウンドEC)への活用を目的とした場合、対象になり得ます。ただし業務への紐付けを明確に説明できることが必要です。
Q. 中国現地に視察・研修に行く費用は助成対象ですか?
A. 海外渡航費・宿泊費は原則として対象外です。海外での研修時間そのものも、日本国内の雇用保険制度の枠組みでは助成されません。日本国内で実施される研修(オンライン含む)の受講料・テキスト代が対象です。
Q. 受講者が研修後すぐに退職した場合はどうなりますか?
A. 研修後の一定期間内に受講者が退職した場合、支給済みの助成金の返還を求められるケースがあります。受給要件の詳細は申請前に労働局または社労士に確認してください。
Q. 助成金を使わずに受講することはできますか?
A. もちろん可能です。助成金申請は任意であり、申請手続きの手間が取れない企業は自費受講も選択肢の一つです。
まとめ:中国式研修の助成金活用、判断チェックリスト
以下の項目をすべて満たせれば、申請を前向きに検討できます。
- ライブコマースへの新規参入・拡大という具体的な事業計画がある
- 受講者は雇用保険の被保険者(正社員・契約社員等)である
- 研修に対面・集合型またはライブオンライン型のセッションが含まれる
- 研修会社が疎明書(受講料の価格根拠資料)を発行できる
- 研修開始前に訓練計画届を提出できる(余裕を持って2〜3か月前から動く)
- 採択保証ではなく「審査を経た結果として受給できる可能性がある」と認識している
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