助成金活用
ライブコマース研修の助成金と就業規則——申請前に整備すべき「訓練規定」の全項目【2026年版】
ライブコマース研修の助成金と就業規則——申請前に整備すべき「訓練規定」の全項目【2026年版】
POINT|結論
- 事業展開等リスキリング支援コース(Off-JT)を申請する場合、就業規則または労使協定に「訓練規定」が明記されていることが審査上の前提条件となります。
- 常時10人未満の事業場は就業規則の作成義務がありませんが、助成金申請の実務では訓練に関するルールを何らかの書面で整備しておく必要があります。
- 整備すべき項目は「訓練の対象・種類」「訓練期間中の賃金の取り扱い」「労働時間の扱い」の3点が核心です。
- 訓練計画届の提出前(研修開始の原則1ヶ月前まで)に整備を完了しておく必要があります。なお、助成金の採択は審査制であり、支給を保証するものではありません。
なぜ就業規則の「訓練規定」が助成金に影響するのか
「書類を揃えて計画届を提出したのに、労働局から就業規則の確認を求められた」——こういったケースで申請が遅延する中小企業は少なくありません。
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)では、Off-JT訓練を助成対象とする場合、以下の原則があります。
訓練の実施根拠を就業規則または労使協定に定めること
これはすべての事業主に共通する要件というよりも、「審査で問われる可能性が高い事項」として整備しておくべきものです。計画届を提出する段階で就業規則に訓練条項がない場合、指摘・補正を求められるリスクがあります。
就業規則の整備は「助成金のため」だけではありませんが、結果として申請のスムーズな進行と審査通過率の向上につながります。
対象となる助成金制度の概要(2026年改正対応)
事業展開等リスキリング支援コースの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 経費助成(中小企業) | 実費の最大75%(審査制・採択保証なし) |
| 賃金助成(中小企業) | 960円/時間 |
| 賃金助成の留意点 | eラーニング型は2026年改正により賃金助成対象外(経費助成のみ対象) |
| 訓練計画届 | 研修開始の原則1ヶ月前までに提出必須 |
| 疎明書 | 2026年改正より受講料の価格根拠を示す疎明書の提出が必要 |
※ 「最大75%」の助成率は審査を通過した場合の上限です。申請内容・受講料の妥当性・予算状況等により変動し、採択・支給を保証するものではありません。
制度の全体像についてはライブコマース研修の助成金完全ガイド(法人向け)をあわせてご確認ください。
就業規則「訓練規定」に含めるべき項目
1. 訓練の目的・対象者
就業規則の教育訓練条項(または訓練規程)に、以下を明記します。
- 訓練の目的:業務遂行能力の向上、スキルアップ等(具体的に)
- 対象者:正規雇用労働者、または雇用保険被保険者(対象者の定義を明確に)
- 訓練の種類:Off-JT型外部研修、eラーニング等(種類に応じた記載)
記載例(条文イメージ):
「会社は、業務遂行能力の向上を目的として、対象労働者に対しOff-JT形式による社外訓練を実施することができる。」
2. 訓練期間中の賃金の取り扱い
助成金審査で最も確認されやすい項目です。訓練時間を労働時間として扱い、通常の賃金を支払う旨を明記することが、賃金助成の受給要件につながります。
記載例:
「社外訓練への参加時間は労働時間として取り扱い、通常の賃金を支払う。ただし、eラーニング形式の訓練については、原則として労働時間外での受講とし、賃金は支払わない(または所定外扱いとする)。」
※ eラーニング型を賃金助成の対象から外す場合、その旨を就業規則に反映しておくと審査での説明が容易になります。2026年改正でeラーニング型は賃金助成の対象外となっているため、混同しないよう注意が必要です。
3. 労働時間の取り扱いと訓練計画
- 所定労働時間内に訓練を行う場合の取り扱い
- 所定外に訓練を行う場合の時間外割増賃金の扱い
- 訓練計画の策定・変更手続き(計画届に対応した社内フロー)
記載例:
「訓練の実施に際しては、会社が事前に訓練計画を策定し、対象労働者に書面で通知する。計画内容の変更が必要な場合は、変更前に関係機関への届出を行う。」
常時10人未満の事業場への対応
労働基準法上、常時使用する労働者が10人未満の事業場は就業規則の作成・届出義務がありません(労基法89条)。しかし、これは助成金申請において「規定不要」を意味するわけではありません。
10人未満事業場がとるべき対応策
| 対応方法 | 概要 | メリット |
|---|---|---|
| 就業規則を任意作成する | 法的義務はないが、助成金申請・紛争予防の観点から整備 | 書面化により審査対応が明確 |
| 労使協定を締結する | 従業員の過半数代表との書面協定 | 就業規則未整備でも訓練規定の根拠になる |
| 個別の訓練合意書を締結する | 対象社員と個別に訓練実施の合意文書を作成 | 少人数に適した柔軟な方法 |
多くの中小企業・個人事業主では、社労士への依頼または専門家のサポートを受けながら労使協定を整備することで、円滑に計画届提出へと進んでいます。
計画届提出前の就業規則チェックリスト
訓練計画届を提出する前に、以下の項目を確認してください。
- 就業規則(または労使協定)に「教育訓練条項」があるか
- 訓練対象者の範囲が明記されているか(雇用保険被保険者)
- 訓練期間中の賃金支払いに関する規定があるか
- eラーニング型と集合研修型(Off-JT)で賃金の取り扱いを区別しているか
- 訓練計画の策定・通知・変更に関する手続きの規定があるか
- 10人未満の場合、就業規則の代替として労使協定または個別合意書を用意しているか
- 社会保険・雇用保険への加入状況が訓練対象者について確認できているか
整備のタイミングと手順
ステップ1:現状の就業規則を確認する
既存の就業規則に「教育訓練」関連の条項があるかを確認します。ある場合は内容が現行の研修形態(Off-JT・eラーニング等)に対応しているかを精査します。
ステップ2:必要な条項を追加・改定する
条項が不足している場合は追加します。就業規則の変更には「従業員への意見聴取(従業員代表の署名・押印)→ 就業規則変更届の作成 → 所轄労働基準監督署への届出」という手順が必要です(常時10人以上の事業場の場合)。
ステップ3:訓練計画の策定と計画届の準備
就業規則の整備後、研修プログラムの内容(時間数、訓練内容、対象者)を具体化し、訓練計画届の作成に入ります。
訓練計画届の書類作成についてはライブコマース研修の助成金申請書類チェックリスト、採択率を高めるポイントはライブコマース助成金の採択率を上げる7つのポイントもあわせて参照ください。
よくある就業規則の落とし穴
Q1. 「研修については別途定める」の一文で足りるか
不十分なケースが多いです。「別途定める」とした場合は、その「別途定めた書類」を別規程・労使協定として整備し、労働局に提示できるようにしておく必要があります。
Q2. 訓練条項があるが「TikTok研修」「ライブコマース研修」が明示されていない
訓練条項は「業務遂行能力向上のための訓練全般」として包括的に定めれば問題ありません。研修の種類・内容は訓練計画届の中で具体的に記載します。
Q3. eラーニングは就業規則に特別な記載が必要か
2026年改正でeラーニング型は賃金助成対象外となっています。就業規則に「eラーニング受講は所定外/自己啓発として扱い、賃金は支払わない」旨を明記しておくと、賃金助成対象の訓練との区別が明確になり審査での確認がスムーズになります。
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就業規則の整備・計画届の書類準備・労働局への対応——これらは「やること」は分かっていても、社内で担当者が不慣れな場合に時間がかかりがちなプロセスです。
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- 就業規則・労使協定の訓練条項に関する確認アドバイス
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まとめ:就業規則の整備が助成金申請成功への近道
ライブコマース研修の助成金(事業展開等リスキリング支援コース)を申請する際、就業規則の訓練規定は「書類のひとつ」ではなく、審査の根幹に関わる要件です。
特に2026年改正後は、疎明書(受講料の価格根拠)の提出やeラーニング型の賃金助成除外など、要件が複数追加されています。就業規則の訓練条項も含め、計画届提出前に総点検しておくことが、採択率向上と採択後のトラブル回避につながります。
なお、すべての申請が採択されるわけではなく、助成額・採択可否は審査結果によります。「最大75%」の助成率も審査を通過した場合の上限であり、支給を保証するものではありません。
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