助成金活用

インフルエンサー事務所・MCNがライブコマース研修で助成金を活用する方法|2026年版 事業展開等リスキリング支援コース

読了時間:約8CNavi編集部
インフルエンサー事務所・MCNがライブコマース研修で助成金を活用する方法|2026年版 事業展開等リスキリング支援コース

インフルエンサー事務所・MCNがライブコマース研修で助成金を活用する方法|2026年版 事業展開等リスキリング支援コース


POINT|この記事の結論

  • MCN(マルチチャンネルネットワーク)・インフルエンサー事務所は「事業展開等リスキリング支援コース」の助成対象になり得る
  • 助成対象は「雇用保険被保険者」=社員スタッフ(マネージャー・ディレクター・制作担当等)。業務委託のタレント本人は原則対象外
  • 2026年改正で疎明書(受講料の価格根拠)の提出が義務化。eラーニング型は賃金助成の対象外
  • ライブコマース事業参入を「新たな事業展開」として計画書に落とし込めば審査通過率が高まる
  • 受講料最大75%が助成対象となり得るが、審査制・支給保証なし。詳細は無料個別相談で確認を

TikTok Shop拡大がMCNビジネスモデルを変えた

TikTok Shopの日本展開加速に伴い、MCN(Multi-Channel Network)・インフルエンサー事務所のビジネスモデルが大きく変わりつつある。かつての主収益源は「広告案件のマネジメント手数料」だった。しかし今や、所属クリエイターがライブ配信中に商品を販売し、GMV(売上総額)に応じた手数料を得るライブコマース収益モデルが急成長している。

この変化に対応するため、事務所内のスタッフ——ライバーコーチ、配信ディレクター、コンテンツプランナー——に新たなスキルが求められている。しかしライブコマース研修は費用がかかる。このコストを大幅に圧縮できるのが、**事業展開等リスキリング支援コース(人材開発支援助成金の一コース)**だ。


MCN・インフルエンサー事務所が活用できる助成金の基本

事業展開等リスキリング支援コースとは

人材開発支援助成金の中の一コースで、新たな事業展開・業務転換に伴うOFF-JT(職場外訓練)の費用・賃金を助成する制度。主な助成内容は以下のとおり。

項目 中小企業 大企業
経費助成率(OFF-JT) 最大75% 最大60%
賃金助成(OFF-JT) 960円/時間 480円/時間
eラーニング型 経費助成のみ(賃金助成なし) 経費助成のみ

※ 2026年改正反映。上記は審査制であり、採択・支給を保証するものではありません。「最大75%」は中小企業における上限率であり、実際の助成額は審査により決定されます。

MCN・インフルエンサー事務所が「新たな事業展開」として認定されやすい理由

このコースは「既存事業の延長ではなく、新たな事業展開・業務転換を伴う研修」が対象。MCN・インフルエンサー事務所が「タレントマネジメント事業→ライブコマース事業参入」として計画を策定すれば、この要件を満たしやすい。

具体的には:

  • 広告案件仲介型MCNがライブコマースのプロデュース・GMV管理事業を新設する
  • SNS運用代行会社がTikTok Shopのライブ配信枠販売・坑位費交渉事業を開始する
  • 芸能事務所がライブコマース専任スタッフ育成部門を新設する

こうした「これまでやっていなかった事業への参入」を文書で示すことが、採択率を高める鍵となる。


重要:助成対象は「雇用保険被保険者の社員スタッフ」

インフルエンサー事務所・MCNで特に注意すべき点がある。それは雇用形態の問題だ。

多くのインフルエンサー・クリエイターは事務所と業務委託契約を結んでいる。この場合、タレント本人は「雇用保険被保険者」ではないため、助成金の受講者としては対象外になる可能性が高い。

助成の対象になるのは:

  • 事務所に正規・非正規雇用で在籍し、雇用保険に加入している社員スタッフ
  • ライバーコーチ(ライブ配信の指導・演出担当)
  • 配信ディレクター・プロデューサー
  • コンテンツ企画・商品選定担当
  • SNS運用・分析スタッフ
  • マネージャー(タレントへのライブコマース指導込みの業務がある場合)

このようなスタッフがライブコマース専門研修を受講することで、助成金を活用できる。受講者1人あたりのコスト削減効果は大きく、5名受講で総受講料200万円の場合、最大75%削減で実質負担50万円(税別)となり得る(審査制・支給保証なし)。


2026年改正で変わった申請の注意点

1. 疎明書(受講料の価格根拠)の提出が必要

2026年の改正により、受講料が高額な場合に疎明書(価格根拠を示す書類)の提出が義務化された。ライブコマース専門研修は比較的高単価になるケースが多いため、研修ベンダーに「疎明書の発行に対応しているか」を事前に確認することが必須だ。

疎明書には一般的に以下の内容が含まれる:

  • 講師人件費の積算
  • 教材・ツール費用の根拠
  • 他社の類似研修との価格比較
  • 受講時間と単価の算出根拠

CNavi(シーナビ)をはじめとする専門機関では疎明書の提供に対応している場合が多いが、研修選定時に必ず確認しよう。

2. eラーニング型は賃金助成の対象外

2026年改正以降、eラーニング・オンデマンド形式の訓練は賃金助成(時間当たり480〜960円)の対象外となった。ライブコマースの実践スキル習得は「実演・フィードバック」が必要なため、もともと対面型やライブ型のOFF-JTが適している。

MCN・インフルエンサー事務所が研修を設計する際は:

  • OFF-JT(職場外訓練):座学+実践演習形式(講師指導付き)
  • OJT(職場内訓練):社内での実務配信練習

このうち助成対象の中心はOFF-JT。実際のライブ配信業務中の「OJT」は助成の範囲外となるため、研修カリキュラムの設計段階で OFF-JTを明確に区分することが重要だ。

詳しくは eラーニング型ライブコマース研修は賃金助成対象外【2026改正】 を参照。


MCN・インフルエンサー事務所のための研修設計例

推奨カリキュラム構成(OFF-JT)

研修モジュール 内容 時間
ライブコマース市場・TikTok Shop戦略 プラットフォーム仕様・アルゴリズム・GMV指標 4時間
台本設計・演出構成 視聴維持・購買誘導のための台本フォーマット 4時間
ライバーコーチング手法 クリエイターへの演技・話法指導スキル 6時間
商品選定・坑位費交渉 売れる商材選定・ブランドとの交渉術 4時間
データ分析・改善サイクル GMV・CVR・視聴維持率の分析と改善 4時間
合計 22時間

この構成であれば、1人あたりの受講時間は22時間以上となり、賃金助成の対象時間数を確保しやすい(所定外研修の場合は割増率の確認も必要)。

受講者設定の考え方

MCN・インフルエンサー事務所は複数名の社員スタッフが同じ課題を抱えることが多い。複数名を同一コースに一括受講させることで、助成上限額を最大化できる。

複数名一括受講で助成上限を最適化する方法も合わせて確認しておきたい。


申請手順の概要(MCN向けフロー)

  1. 訓練計画届の提出(研修開始の1か月以上前が目安)

    • ハローワーク・都道府県労働局への事前届け出
    • 事業展開の計画書・訓練カリキュラム・疎明書のセットで提出
  2. 研修の実施

    • OFF-JTとして認められる形式で実施
    • 出欠記録・学習記録を整備
  3. 支給申請(研修終了後2か月以内が目安)

    • 受講証明・領収書・賃金台帳等を添付
  4. 審査・支給

    • 審査通過後に支給(採択・支給保証なし)

申請手続きの全体像については ライブコマース研修の助成金申請手続き全貌 で詳しく解説している。


社労士不要で申請できる?MCNがはまりやすい落とし穴

インフルエンサー事務所・MCNには社労士を顧問に置いていないケースも多い。助成金申請は原則として事業主が自社で行うことも可能だが、以下の点でつまずくケースがある。

  • 計画届の「事業展開」欄の記載が曖昧:ライブコマース参入の具体的な売上計画・体制図が不足
  • 疎明書の準備遅れ:研修ベンダーとの事前調整に想定以上の時間がかかる
  • OJT/OFF-JT の区分ミス:社内での配信練習をOFF-JTとして申請してしまう

CNavi(シーナビ)では、申請サポートを込みで研修を提供しており、社労士リソースがない法人でも申請しやすい体制を整えている。


よくある質問(MCN・インフルエンサー事務所向け)

Q. 業務委託タレントが受講した費用も助成される? A. 原則対象外です。雇用保険に加入している社員スタッフのみが助成対象になります。タレント本人のスキルアップは「個人向け教育訓練給付制度」が利用できる場合があります。

Q. 設立3年未満のMCNでも申請できる? A. 事業展開等リスキリング支援コースに設立年数の制限はありません。ただし雇用保険適用事業主であることが前提です。

Q. TikTok Shop以外のプラットフォーム(楽天ライブ・Instagram)向け研修も対象? A. ライブコマース全般の研修として対象になり得ます。プラットフォームを限定する必要はありませんが、訓練内容が「新たな事業展開」に紐づくことが重要です。

Q. 研修は外部ベンダーに委託が必要?社内研修でもよい? A. 外部機関へのOFF-JT委託が基本です。社内の上長が行う指導はOJTとして扱われるため、助成範囲に注意が必要です。


ライブコマース内製化は「研修コスト管理」が成否を分ける

MCN・インフルエンサー事務所にとって、ライブコマース事業参入の最大の投資は「人材育成コスト」だ。TikTok Shopのアルゴリズム理解、台本設計、ライバーコーチングスキル——これらを社内に蓄積することが、中長期的な競争優位の源泉になる。

一方で研修コストを野放しにすると、単発の外注費が膨らみ投資回収が遅れる。助成金を組み込んだ計画的なスキル投資こそが、MCNのライブコマース事業を軌道に乗せるカギとなる。

法人向けライブコマース研修と助成金活用の全体像については、ライブコマース研修×助成金 法人ガイド(ピラー記事)を参照してほしい。

また、社内ライバー育成を助成金で内製化する方法では、MCNが直接雇用するライバーを育成する際の具体的なステップも解説している。


まとめ:MCN・インフルエンサー事務所の次のアクション

チェック項目 確認内容
雇用形態の確認 研修受講候補者が雇用保険被保険者か確認
事業展開計画の策定 ライブコマース参入の計画書を文書化
研修ベンダーの選定 疎明書対応・OFF-JT形式かどうか確認
計画届の提出タイミング 研修開始1か月以上前を目安に提出
複数名受講の設計 一括受講で助成上限を最大化

無料個別相談で自社の助成金活用可否を確認する

MCN・インフルエンサー事務所の事業形態は多様であり、助成金の適用可否は個社の状況によって異なります。「うちのケースで使えるか」を最短で確認するには、専門家への個別相談が最も効率的です。

CNavi(シーナビ)では、ライブコマース×中国知見を持つ専門家が、助成金活用を含めた研修設計の無料個別相談を実施しています。採択を保証するものではありませんが、現状確認・計画策定の初回相談は無料です。

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本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。助成金制度は変更される場合があります。最新情報は厚生労働省・都道府県労働局の公式情報をご確認ください。「最大75%」は審査を通過した中小企業における経費助成の上限率であり、採択・支給を保証するものではありません。

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