助成金活用

薬局・ドラッグストアのライブコマース研修に助成金を活用する方法|薬機法対応・内製化戦略 2026年版

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薬局・ドラッグストアのライブコマース研修に助成金を活用する方法|薬機法対応・内製化戦略 2026年版

薬局・ドラッグストアのライブコマース研修に助成金を活用する方法|薬機法対応・内製化戦略 2026年版

POINT|結論 薬局・ドラッグストアがライブコマース研修を導入すると、事業展開等リスキリング支援コースから受講料の最大75%(審査制・支給保証なし)が助成対象になり得ます。ただし薬機法・景表法の縛りが強いため、「コンプライアンス対応」を組み込んだ専門研修でなければ配信リスクが高まります。本記事では、薬剤師・登録販売者の専門知識をライブ配信の強みに変える具体的な研修設計と、2026年改正を踏まえた助成金申請の手順を解説します。


薬局・ドラッグストアにライブコマースが刺さる理由

健康食品・化粧品・日用品は、ライブコマースと最も相性の良いカテゴリの一つです。中国の淘宝直播や抖音電商では、このカテゴリが配信流通総額の上位を占め続けています。日本国内でも、2025〜2026年にかけてTikTok ShopやLINEショッピングライブを通じて「ドラッグストア的品揃え」の商品が急伸しています。

薬局・ドラッグストアが持つ強みは、スタッフが商品知識を持っていることです。薬剤師や登録販売者が「なぜこのビタミン剤を選ぶべきか」「この化粧水は敏感肌に向いているか」をリアルタイムで語れる配信は、単なる価格訴求の配信よりCVR(購買転換率)が高くなる傾向があります。

一方で、医薬品・医薬部外品・化粧品・機能性表示食品を扱う業態は、薬機法と景表法の規制が他業種より厳しいという現実があります。「この薬が効く」「○○が治る」などの表現は行政指導・措置命令の対象になります。ライブ配信はその場の勢いでNGワードを発してしまいやすく、動画として記録が残るリスクも伴います。

だからこそ、「薬機法・景表法対応のコンプライアンスを組み込んだライブコマース研修」が薬局・ドラッグストアには必須であり、そこに助成金を投じる合理性があります。


活用できる助成金:事業展開等リスキリング支援コース

制度の概要(2026年現在)

厚生労働省が所管する**「事業展開等リスキリング支援コース」**(人材開発支援助成金の一コース)は、新たな事業展開・デジタル化・グリーン化に向けてスタッフを研修させた法人に対して、訓練費用の一部を助成する制度です。

項目 内容
助成率 中小企業:最大75%(大企業:最大45%)※審査制、支給保証なし
助成対象 受講料(OFF-JT)・一定条件を満たす賃金
申請主体 法人(雇用保険適用事業所)
主な条件 新事業展開の計画があること、雇用保険被保険者が受講すること 等

⚠️ 景表法注記: 「最大75%」は上限値であり、全申請者が受給できるわけではありません。採択・支給の保証はなく、審査結果によって助成率・額が変わる場合があります。「採択が保証された」「国が認めた」等の断定表現は制度上も存在しません。

2026年改正で変わった重要ポイント

①疎明書(受講料の価格根拠)の提出義務化

2026年度より、申請時に「なぜその受講料が妥当か」を示す疎明書の提出が必須となりました。市場相場・競合研修費・コンテンツ開発コスト等の根拠を明記した文書を準備する必要があります。

詳しくは → 疎明書・受講料 価格根拠の作り方【2026年改正対応】

②eラーニング型は賃金助成の対象外

オンデマンド動画のみで完結するeラーニング型研修は、2026年改正によって賃金助成の対象外となりました。経費助成(受講料助成)は引き続き対象ですが、賃金助成を期待していた場合は設計の見直しが必要です。

詳しくは → eラーニング型ライブコマース研修は賃金助成対象外【2026改正】


薬機法・景表法のリスクを知る

ライブ配信中に起きやすいNGワード

ライブ配信は「台本通りにいかない」からこそ注意が必要です。以下は実際に問題になりやすい表現例です。

薬機法違反になりうる表現(医薬品・医薬部外品・化粧品)

  • 「これを飲めばガンが治る」「糖尿病に効く」(未承認の医薬品的効能効果)
  • 「シワが完全になくなる」「アトピーが消える」(承認外の効能効果)
  • 「厚生労働省が認定した」(事実と異なる公的機関の関与示唆)

景表法違反になりうる表現(健康食品・化粧品含む)

  • 「業界No.1の効果」(根拠なき優良誤認)
  • 「今だけこの価格!定価50,000円→5,000円」(不当な二重価格)
  • 「全員に効果が出ることを保証します」(効果保証の断定)

機能性表示食品・特定保健用食品(トクホ)の扱い

届出・許可された範囲の機能性表示は使用可能ですが、その範囲を超えた効能の示唆はNGです。ライブ配信中に商品を手に持ちながら話すとき、表示の範囲を正確に理解していることが前提となります。

→ 詳しくは ライブコマース 景表法・薬機法 注意点まとめ も参照

「専門知識がある」からこそ信頼される、でも落とし穴も

薬剤師・登録販売者が配信するからこそ、視聴者は「専門家が勧める商品」として信頼します。しかしそれは同時に、「専門家が言ったこと」として社会的な信用性が増し、NGワードを使った時のダメージも大きくなることを意味します。

適切な研修を受けた上でのライブ配信こそが、信頼資産の最大化とリスクの最小化を両立させます。


研修で身につけるべきスキルセット

薬局・ドラッグストア向けのライブコマース研修は、一般的な「ライブコマース基礎」に加えて、業界固有のコンテンツが不可欠です。

1. ライブコマース基礎(全スタッフ共通)

  • TikTok ShopやInstagramライブの操作・設定
  • カメラ映えする照明・背景・話し方の基本
  • コメント対応・リアルタイム質問への返し方
  • 購買を促すCTA(「今すぐ購入」ボタン)の活用

2. コンプライアンス研修(薬局・ドラッグストア必須)

  • 薬機法(医薬品医療機器等法)の基礎:カテゴリ別規制の整理
  • 景表法の優良誤認・有利誤認の判定演習
  • 機能性表示食品・トクホの正しい表示範囲
  • 配信中のリアルタイムNGワード回避トレーニング
  • クレーム・問合せ対応のフロー設計

3. 商品知識の配信表現への変換

登録販売者が持つ専門知識を「視聴者に伝わる言葉」に変換するトレーニングです。「OTCとは何か」「この成分が体内でどう働くか」を専門用語なしで30秒以内に説明するロールプレイ演習が核になります。

4. コンテンツ設計・台本づくり

  • 週次配信テーマの設計(花粉シーズン・紫外線対策・冬の乾燥肌 等)
  • 売上につながる商品提案順・ウィッシュリスト構成
  • 視聴者の滞在時間を延ばすコーナー設計

5. データ分析・改善(マネジャー向け)

  • TikTok Shop・各プラットフォームのアナリティクス読み解き
  • CVR・GMV・視聴維持率の改善アクション設計
  • 月次PDCA会議の進め方

助成金申請の流れ(薬局・ドラッグストア向け)

ステップ1:研修計画の立案(申請前に必須)

事業展開等リスキリング支援コースでは、訓練開始日の前日までに計画書を労働局へ提出する必要があります。ライブコマース研修を「新たなEC事業・デジタル販売チャネルへの展開」と位置づけた事業計画書を用意します。

ステップ2:研修会社の選定と疎明書の準備

研修会社(実施機関)を選定し、受講料の妥当性を示す疎明書を取得します。疎明書には「市場相場・競合比較・カリキュラム内容と時間数」が記載されていることが求められます。

ステップ3:計画届の提出

各都道府県の労働局(またはハローワーク)に「訓練実施計画届」を提出します。審査後に計画が認定されると、訓練開始が可能になります。

ステップ4:研修の実施と記録

研修の出席記録・受講者名簿・カリキュラム実施記録を整備します。eラーニング型のみの場合、2026年改正以降は賃金助成が付きません。リアルタイム・インタラクティブ要素のある研修設計が推奨されます。

ステップ5:支給申請

訓練終了後に支給申請を行います。受講料の領収書・賃金台帳・タイムカードなど証拠書類を揃えて提出します。

→ 助成金申請の全体像は ライブコマース研修 助成金 申請サポート も参考に


内製化 vs 代行:薬局・ドラッグストアの場合

代行の限界

外部の運用代行会社に配信を任せると、毎月数十〜数百万円のコストが発生し続けます。さらに薬局・ドラッグストアの場合、代行スタッフが薬機法に精通しているとは限らないという問題があります。NGワードを発しても気づかないまま配信が続くリスクがあり、実際に問題になった事例も報告されています。

内製化の強み

  • 薬剤師・登録販売者が配信者になることで、視聴者の専門的な質問に即答できる
  • 季節・店舗独自のセール情報をリアルタイムで告知できる
  • 配信ノウハウが社内に蓄積され、長期的なコスト競争力が生まれる

研修による人材育成コスト

仮に5名受講・受講料1人あたり30万円の場合:

  • 総受講料:150万円
  • 助成金(中小企業・助成率75%想定、審査制・保証なし):最大112.5万円
  • 実質負担(最小):約37.5万円

代行コスト(月30万円×12ヶ月=360万円/年)と比較すると、内製化初期投資の回収は十分に見込めます。

→ 実質負担額の詳細シミュレーションは ライブコマース研修 助成金 実質負担の計算方法 を参照

⚠️ 上記シミュレーションは「最大75%助成が採択された場合」の試算です。審査結果によって助成額は変わります。採択保証・支給保証はありません。


導入事例イメージ:中堅ドラッグストアチェーン(仮名)

背景: 関東圏10店舗を展開するドラッグストアチェーン。EC売上比率が低く、TikTok Shopへの本格参入を検討。

実施内容: 各店舗から選抜した担当者10名(登録販売者8名、美容部員2名)を対象に、ライブコマース基礎+コンプライアンス研修を実施。研修期間:3ヶ月。研修費用:総額300万円。

助成金申請結果(想定): 審査を経て助成率60%が認定された場合、助成額:約180万円、実質負担:約120万円。

研修後の変化(想定): 配信開始から3ヶ月で月次GMV○○万円達成。薬剤師が「成分解説コーナー」を担当することで視聴者の平均滞在時間が延び、CVRが一般配信より高い水準に。

※ 上記はあくまでイメージであり、実際の採択・支給保証を示すものではありません。


よくある質問(FAQ)

Q1. 薬剤師資格を持つスタッフも助成金の対象になりますか?

はい。雇用保険被保険者であれば、保有資格に関わらず助成対象になり得ます。ただし、申請する研修が「新たな事業展開に向けたリスキリング」として認められることが条件です。

Q2. 医薬品(第1〜3類)をライブ配信で販売することは法的に可能ですか?

要指導医薬品・第1類医薬品のオンライン販売は薬剤師が情報提供義務を果たすことが必要で、ライブ配信での要件充足は慎重な対応が求められます。第2類・第3類は登録販売者によるオンライン販売が可能ですが、各社の法務確認が不可欠です。研修ではこの法的論点も扱います。

Q3. 複数店舗から社員を一括受講させることはできますか?

はい。複数名の一括受講も助成金の申請対象です。受講者が多いほど助成総額が大きくなる可能性があります。

→ 詳しくは 複数名一括受講 助成上限の最適化 を参照

Q4. 研修はオンライン(ライブ配信形式)でも受けられますか?

双方向のオンラインライブ研修は助成対象になり得ます。ただし2026年改正以降、オンデマンド型のeラーニングのみの場合は賃金助成対象外となりました。

Q5. 既に他の助成金(IT導入補助金等)を活用している場合は?

他の助成金との併用は制度によって異なります。事業展開等リスキリング支援コースは原則として他の雇用関係助成金との重複受給は制限されますが、IT導入補助金等とは別制度のため、個別に管轄窓口へ確認することを推奨します。


まとめ:薬局・ドラッグストアこそライブコマース内製化のチャンス

薬局・ドラッグストアが持つ「専門知識」「商品力」「信頼性」は、ライブコマースで最大の差別化要因になります。外部代行に任せるより、薬剤師・登録販売者が自ら語る配信の方が、長期的な顧客信頼と売上につながります。

2026年の助成金制度は疎明書義務化・eラーニング制限という変更がありましたが、リアルタイム形式のプログラムであれば引き続き最大75%(審査制・保証なし)の助成が受けられる可能性があります。


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