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越境EC用語集|関税・Tmall Global・保税倉庫・CBECポジティブリストなど基礎用語を日本企業向けに解説【2026年版】
越境EC用語集|関税・Tmall Global・保税倉庫・CBECポジティブリストなど基礎用語を日本企業向けに解説【2026年版】
POINT|結論
越境ECに取り組む日本企業の担当者が「よく耳にするが正確な意味を把握していない」用語を一覧化した実務リファレンスです。CBEC・保税倉庫・行郵税・ポジティブリスト・Tmall Globalなど、制度と実務の両面からわかりやすく解説します。単なる単語集では終わらず、各用語が「日本企業の越境EC戦略にどう関わるか」を必ず添えています。
越境ECを理解する前に知っておきたい「制度の枠組み」
中国への越境ECは、中国政府が管理する専用の税制・物流・プラットフォーム制度のうえで動いています。日本の一般的なEC常識とは別のルールが存在するため、用語の正確な理解が事業判断の精度を左右します。
A:基本概念・制度用語
CBEC(Cross-Border E-Commerce)
「CBEC(シービーイーシー)」は越境電子商取引の略称。中国では「跨境電商(Kuàjìng Diànshāng)」と呼ばれます。CBECは一般貿易(正規輸入通関)とは異なる独自の税制・通関ルートを持つ制度として整備されており、個人が海外ECサイトで購入した商品を輸入するケースから企業が保税倉庫経由で販売するケースまで幅広く対象となります。
日本企業への示唆: CBECルートを使うと、一般貿易よりも参入コストを抑えつつ中国消費者へ直販できる場合があります。ただし販売できる商品はポジティブリスト(後述)に限られます。
CBECポジティブリスト(跨境電商進口商品清単)
中国政府が定めた「CBECで輸入販売を認める商品の一覧リスト」。2016年以降、数次にわたって改訂・拡大されています。化粧品・健康食品・乳幼児用品・衣類・電子製品・食品など幅広いカテゴリが収録されていますが、医薬品・酒類・一部の生鮮食品などはリストに含まれないか別途規制を受けます。
確認方法: 中国商務部・財政部が公表する「跨境電商零售進口商品清単」を参照します。HS(国際商品分類)コードで管理されるため、自社商品のHSコードを確認したうえで適合可否を判断します。
景表法・表現注意: 「ポジティブリストに入っているから必ず販売できる」とは限りません。プラットフォームごとの審査要件や中国の品質規格(GB規格)との適合も別途確認が必要です。
行郵税(こうゆうぜい・Xíngyóu Shuì)
CBEC経由で個人が輸入する商品に適用される関税の一種で、一般貿易の増値税(VAT)・消費税・関税を簡便に合算したみなし税率。商品カテゴリによって税率は異なります(例:化粧品35%、食品・衣類10〜15%、電子機器10%など)。2016年以降、CBEC専用の「跨境電商綜合税」に移行が進んでいますが、慣習的に「行郵税」と呼ばれるケースも多い。
跨境電商綜合税(CBEC総合税)
2016年のCBEC制度改正で正式化された越境EC輸入専用の課税方式。増値税(13%または9%)と消費税を合算し、一定の控除率(現在70%)を乗じた実効税率が適用されます。年間累計購入限度額(個人:26,000人民元まで)の範囲内で行郵税より有利になるケースが多い。
一般貿易(通常輸入通関)
CBECとは別に、企業が商品を中国に「正規輸入」するルート。輸入許可証・中国GB規格の適合・全額関税の支払いが必要ですが、販売量の上限がなく越境EC以外の販路(リアル店舗・卸売)にも展開できます。ブランド規模が大きくなるにつれて一般貿易への移行を検討する企業が増えます。
B:プラットフォーム・販売チャネル用語
Tmall Global(天猫国際)
アリババグループが運営する越境EC向けプラットフォーム。中国国内のTmall(天猫)とは別に、海外ブランドがCBECルートで中国消費者に直販できる仕組みです。日本語話者向けに日本サポートデスクが整備されており、日本コスメ・食品・ベビー用品などの有力ブランドが多数出店しています。ブランド審査・年間サービス料(デポジット)・販売手数料が発生します。
詳しい出店手順は→ Tmall Global 出店 日本企業向けガイドをご覧ください。
JD Worldwide(京東全球購)
JDグループが運営する越境ECモール。Tmall Globalと並ぶ中国2大CBECプラットフォームの一つ。物流インフラ(京東物流)の強さと真贋保証(本物保証)訴求で差別化しており、家電・食品・美容カテゴリに強みを持ちます。
Kaola(考拉海購)
ネットイース(网易)傘下の越境ECプラットフォーム。2019年にアリババが買収し現在はアリババグループ傘下。母婴(母子・ベビー)カテゴリに特に強く、日本製ミルク・おむつ・ベビー用品への需要が集まります。
Pinduoduo(拼多多)越境版:Temu国内版
Pindudouは国内EC向けですが、越境EC枠での商品取り扱いも拡大しています。低価格志向の「下沉市場(農村・地方都市)」向けが強みで、日本企業には価格競争力のある消耗品・日用品で活用余地があります。
直播電商(ライブコマース付き越境EC)
越境ECプラットフォームにおけるライブ配信販売の仕組み。Tmall GlobalやJD Worldwideでも「商品紹介ライブ」を活用した販促が標準化しています。KOL(インフルエンサー)が保税倉庫の商品をリアルタイムで紹介・購入誘導するモデルが主流です。
越境ECとライブコマース研修の組み合わせ戦略は→ ライブコマース研修 助成金 法人ガイド(ピラーC)で詳述しています。
C:物流・税関・倉庫用語
保税倉庫・保税区(Bǎoshuì Qū)
中国政府が指定する特別経済区域に設置された「輸入税を留保(保税)したまま商品を保管できる倉庫・エリア」。日本企業が事前に商品を中国国内の保税倉庫に送り込んでおき、注文が入った時点で通関・税支払いが完了する仕組みです。上海・杭州・天津・鄭州・深圳などに主要な保税区があります。
メリット: 注文から配送まで1〜3日が実現でき、日本発送(7〜14日)に比べてコンバージョン率が向上。ライブコマース時の「即日発送」訴求が可能になります。
日本企業の留意点: 売れ残り在庫は一定期間後に課税処理または返送が必要。在庫管理コストが発生します。保税倉庫の活用方法は→ 中国 保税倉庫 在庫 越境ライブも参考にしてください。
直送モデル(海外直送・Direct Shipping)
保税倉庫を使わず、注文ごとに日本の倉庫から直接発送するモデル。初期費用は低いが、配送日数(1〜2週間)・関税申告の手続き・破損・紛失リスクなどのデメリットがあります。小規模スタート・試験販売に向いています。
EMS(国際スピード郵便)・SAL便・航空便・船便
日本から中国消費者に商品を送る際の主な輸送手段。越境ECでは航空便(DHL・FedEx・国際小包)が主流です。送料・配達日数・補償額のバランスで選択します。
清関(通関手続き・Qīngguān)
輸入品が税関を通過する手続き全般のこと。CBEC経由では簡便化された「電子通関」が利用でき、通関業者(代理清関業者)に委託するのが一般的です。
9610・1210・9810モデル
中国CBECにおける税関監管コードの種類。
| コード | 方式 | 特徴 |
|---|---|---|
| 9610 | 直送(海外倉庫発) | 注文ごとに海外倉庫から個人宛に発送。小口対応◎ |
| 1210 | 保税倉庫(BC type) | 保税区に在庫を置き、注文後に出庫・清関 |
| 9810 | 海外倉庫→中国倉庫 | 一般貿易ではなくCBEC枠で国内配送網を利用 |
D:商品審査・規格用語
GB規格(国家標準)
中国国家標準化管理委員会(SAC)が定める製品・安全・品質の国家規格。越境ECのCBECルートでは一般貿易ほど厳格ではありませんが、食品・化粧品・健康食品などは別途「備案(びあん)登録」が必要なケースがあります。
備案(Bèi'àn)登録
化粧品・健康食品・医療機器などを中国CBECで販売する際に必要な政府への事前届出制度。「輸入化粧品国産化粧品備案」など品目ごとに手続きが異なります。NMPAへの申請が必要で、代行業者を使うのが一般的です。
NMPA(国家薬品監督管理局)
医薬品・医療機器・化粧品の規制を管轄する中国政府機関。化粧品の成分規制(禁止成分リスト)や効能表現規制も担当します。日本コスメの成分が中国規制と合わない場合は処方変更または販売を断念するケースもあります(薬機法に準じた注意が必要)。
E:越境EC × ライブコマース融合用語
跨境直播(越境ライブコマース)
越境EC商品をライブ配信で紹介・販売する手法。KOLが保税倉庫または日本国内から中国語でライブ配信し、視聴者が直接注文できる仕組みです。Tmall GlobalやJD Worldwideのライブ機能、抖音電商(TikTok Shop中国版)などで実施されます。
主播(Zhǔbō)
ライブコマースの配信者・演者のこと。越境ECにおいては「中国語で話せる日本在住ライバー」または「中国KOLによる日本商品紹介」の2パターンが主流です。
詳しくは→ 中国向けライブ 中国語ライバー 手配をご参照ください。
GMV(Gross Merchandise Value)
取扱高(返品前の売上総額)。KOLとの契約交渉や成果報告で頻繁に登場します。GMVを水増しする「刷单(刷流量)」行為も中国越境ECでは発生するため、契約時に「実売上高(成約GMV)」での評価を明記することが重要です。
ROI(費用対効果)・ROAS(広告費用対売上高)
KOLプロモーションや広告投資の評価指標。越境ECではROI=(GMV ÷ 総投資額)×100%、RAOSは広告費に対する売上比率で見ます。初回の中国越境EC参入では「認知獲得フェーズ」と割り切り、ROI基準を緩めるケースも一般的です。
F:よくある誤解・間違いやすい用語ペア
| 誤解しやすい対比 | 正しい理解 |
|---|---|
| CBEC ≠ 一般貿易 | 税率・通関・年間限度額が別制度。戦略設計が異なる |
| 保税倉庫 ≠ 無税倉庫 | 税支払いを「注文時まで先送り」するだけで免税ではない |
| Tmall Global ≠ Tmall | 海外ブランド専用プラットフォームで申請・審査プロセスが別 |
| KOL ≠ KOC | KOL=大型インフルエンサー、KOC=マイクロ・一般消費者。費用・効果の性質が異なる |
| 行郵税 ≠ CBEC総合税 | 2016年以降は制度が分かれ、現在はCBEC総合税が主流 |
よくある質問(FAQ)
Q. ポジティブリストに載っていない商品は中国に売れませんか?
A. CBECルートでは販売できませんが、一般貿易(正規輸入通関)ルートでGB規格適合・必要許可証を取得すれば販売できる場合があります。まずはHS分類と規制状況を確認してください。
Q. 保税倉庫はどこが管理しますか?
A. 中国政府認定の保税区(杭州・上海・天津など)に設置された倉庫業者または3PL(サードパーティロジスティクス)事業者が管理します。TMall GlobalやJD Worldwideは提携物流業者を紹介する仕組みがあります。
Q. ライブコマースと越境ECを組み合わせるには何から始めればいいですか?
A. まず①自社商品がポジティブリストに対応しているか確認、②保税倉庫か直送かの物流モデルを決定、③KOLまたは自社中国語ライバーの確保、の3ステップが起点です。各ステップでの判断基準は無料個別相談でお伝えしています(下記CTA参照)。
Q. 助成金で越境EC研修はカバーできますか?
A. ライブコマース・越境EC活用のための社内研修は、事業展開等リスキリング支援コース(経産省系)の対象となるケースがあります。詳しくは→ ライブコマース研修 助成金 法人ガイドをご確認ください。研修内容・受講料の価格根拠を示す疎明書の準備など2026年改正対応のサポートも承っています(審査制・採択保証なし)。
越境ECの学習ロードマップ
越境ECを体系的に学ぶなら、以下の順序がおすすめです。
- 全体像把握 → → 中国 越境EC とは 仕組み 日本企業
- 関税・税制理解 → → 中国 越境EC 関税 税制
- 物流・保税倉庫 → → 中国向け 国際物流 配送 日本企業 基礎
- ライブコマースとの融合 → → 越境EC ライブコマース 連携 売上最大化
- 研修・助成金の活用 → → ライブコマース研修 助成金 法人ガイド(ピラーC)
まとめ:用語を武器にして越境EC参入判断を加速する
越境ECは「制度の複雑さ」が参入障壁として機能しています。しかし、CBEC・保税倉庫・ポジティブリスト・NMPA備案といった基本用語を正確に押さえれば、プラットフォーム選定・物流モデル決定・KOL戦略の議論が格段にスムーズになります。
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