助成金活用

管理職・役員はライブコマース研修の助成金対象になる?雇用形態別の判断基準【2026年版】

読了時間:約9CNavi編集部
管理職・役員はライブコマース研修の助成金対象になる?雇用形態別の判断基準【2026年版】

管理職・役員はライブコマース研修の助成金対象になる?雇用形態別の判断基準【2026年版】

POINT|この記事の結論

  • 管理職(課長・部長・マネージャー等)は原則として対象になり得る。労働基準法上の「管理監督者」であっても、雇用保険の被保険者であれば訓練対象者に含まれる
  • 取締役・執行役などの役員は原則対象外。役員は「労働者」ではないため、雇用保険の被保険者に該当せず、助成金制度の対象とならない
  • 兼務役員(役員報酬と賃金の両方を受け取る人)は管轄労働局への確認が必須。雇用保険の被保険者として扱われているかどうかで判断が分かれる
  • 同制度は審査制・後払い。採択保証はなく、「管理職だから必ず通る」という保証もない
  • 2026年改正で疎明書(受講料の価格根拠資料)の提出が義務化。eラーニング型研修のみの場合は賃金助成の対象外となった
  • 「この管理職は対象になるのか」個別ケースの判断に迷う場合は、無料個別相談で診断を受けることを推奨する

なぜ「管理職・役員」が問題になるのか

ライブコマース・TikTok Shopの内製化が本格化する中、「社長が配信を覚えたい」「マーケ部長自身が中国EC戦略を学びたい」「役員も含めてリスキリングしたい」という声が増えている。

しかし人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)は「労働者の職業能力開発」を目的とした制度であり、誰でも無制限に対象にできるわけではない。職位が上がれば上がるほど、「この人は労働者か、それとも経営者か」という法的な区分が曖昧になり、適用可否の判断が複雑になる。

申請後に「この受講者は対象外でした」と指摘されると、採択取り消し・支給拒否・場合によっては不正受給認定のリスクもある。事前に正確な理解が欠かせない。


助成金の「対象者」を決める2つの軸

事業展開等リスキリング支援コースにおける訓練対象者の条件は、大きく次の2つで判断される。

内容
雇用保険の被保険者か 雇用保険に加入している労働者であること
事業主との雇用関係があるか 雇用契約(労働契約)に基づく労働者であること

この2軸を満たしているかどうかが、管理職・役員それぞれの判断の出発点になる。


管理職(課長・部長・マネージャー等)の場合

原則:雇用保険に加入していれば対象になり得る

課長・部長・マネージャーなどの管理職は、多くの場合、会社との雇用契約の下で働く「労働者」であり、雇用保険の被保険者として届け出られている。この場合は助成金の対象者に含まれる可能性がある。

労働基準法上の「管理監督者」(41条2号)という概念があり、残業代支払いが免除される場合もあるが、それと雇用保険の加入の有無は別問題だ。管理監督者であっても雇用保険の被保険者でいることは通常の扱いであり、助成金対象からは外れない。

注意点:役員報酬のみの場合は別

課長・部長という肩書きであっても、実態として会社の意思決定機関の構成員となっていて、役員報酬のみで賃金(給与)が支払われていない場合は、「労働者」とは見なされない可能性がある。形式上の職位よりも雇用保険の加入実態で判断される。

確認ポイント

  • 雇用保険の被保険者として届け出ているか(雇用保険被保険者証を確認)
  • 労働契約書・就業規則の適用対象か
  • 実際に賃金(タイムカード管理された賃金)が支払われているか

実務上の推奨

申請前に自社の「訓練対象者リスト」を作成し、全員の雇用保険資格取得届の写しを確認しておくと、審査のスピードが上がる。特に課長職以上は、ハローワーク(管轄労働局)に確認を取ってから計画届を提出することが望ましい。


役員(取締役・執行役・代表取締役等)の場合

原則:対象外

株式会社の取締役、有限会社の代表者・取締役、合同会社の業務執行社員などは、会社法上「委任関係」に基づく「経営者」であり、労働基準法上の「労働者」ではない。雇用保険の被保険者にもならないため、人材開発支援助成金の訓練対象者にはなれない。

「社長が自らTikTok Shopの配信を学びたい」という場合は、助成金の対象とはならないケースがほとんどだ。

注意:「社長もライバーとして配信している」という実態があっても、役員である限り助成金の対象にはなれない。役員の研修費は自社負担で考える必要がある。

例外:雇用関係のある役員(使用人兼務役員)

役員であっても、以下の条件をすべて満たす「使用人兼務役員」は、例外的に雇用保険の被保険者として扱われ、助成金対象になり得るケースがある。

  1. 役員報酬とは別に、労働の対価としての賃金(給与)が支払われている
  2. 会社の一般労働者と同様の就業規則・指揮命令系統に従っている
  3. ハローワーク(公共職業安定所)に雇用保険の被保険者として届け出ており、受理されている

これが「兼務役員」と呼ばれるケースだ。ただし、この判断は容易ではなく、実態に即した労働局の判断が必要になる。


兼務役員(役員報酬+賃金を受け取る人)の扱い

兼務役員は、雇用保険の被保険者に該当するかどうかで対象可否が変わる。

判断の基準

チェック項目 対象になりやすい 対象外に近い
賃金の支払い 労働の対価として賃金が毎月固定支払われている 役員報酬のみ
就業規則の適用 一般労働者と同じ就業規則に従っている 適用除外
ハローワークの届出 雇用保険被保険者として受理されている 未届け・却下
業務指揮 上位の役員・社長から業務上の指揮を受けている 意思決定機関の構成員として独立

実務的な対処

兼務役員を訓練対象者に含めたい場合は、必ず事前にハローワーク(管轄労働局の雇用保険担当窓口)に「この人は雇用保険の被保険者として扱われているか」を確認すること。確認を取らないまま申請すると、後から「対象外でした」と指摘されるリスクがある。

確認時に用意する資料例:

  • 当該人物の役員登記事項証明書の写し
  • 雇用保険被保険者資格取得届の控え(または被保険者証)
  • 賃金台帳(役員報酬と労働賃金の内訳がわかるもの)
  • 労働契約書または辞令

管理職・役員を含む申請計画の立て方

管理職や役員を含むチームでライブコマース研修を実施する場合、助成金の対象者と非対象者が混在することになる。この場合、以下のような分けて考える設計が実務的だ。

ケース別の設計例

ケースA:管理職メインのチームに役員が1名混じる場合

  • 管理職(雇用保険加入済み)→ 助成金の訓練対象者として申請
  • 役員 → 研修費は自社負担。同じ研修に参加しても、受講料の助成対象には含めない
  • 計画届の「対象労働者」には役員を記載しない

ケースB:兼務役員の可否が不明な場合

  • まずハローワークに確認 → 被保険者として認められれば対象者に含める
  • 認められなければ自社負担として計画から外す

ケースC:管理職のみで申請する場合(最もシンプル)

  • 役員を一切含まず、雇用保険被保険者である管理職だけで申請
  • 審査上の不確実性が最も低い

管理職向けライブコマース研修に助成金を使う意義

「管理職は現場の配信実務をやるわけじゃないし、研修を受けさせる意味があるか?」という疑問もあるかもしれない。しかし、ライブコマース内製化において管理職の研修は戦略的に重要だ。

管理職がライブコマースを理解していないと起きること

  • ライバー(配信担当者)が何をやっているかわからず、適切な評価・フィードバックができない
  • 「配信が伸びない理由」を把握できず、外注依存の判断が続く
  • 中国型ライブコマース戦略(坑位費・KOL活用・双11対策など)を理解したMGRがいないと、越境EC参入の意思決定が遅れる
  • 予算配分・KPI設計を誤り、ROI計算ができないまま配信活動が続く

中国ライブコマースの構造と日本企業への応用を把握した上でチームを率いるのか、何も知らないまま担当者任せにするのかは、3年後の内製化水準に大きな差を生む。

管理職研修の具体的な内容例

CNavi TikTok Shop Campusでは、管理職・マーケティング責任者向けに以下のような内容を提供している(研修の詳細は個別相談で確認を)。

  1. ライブコマース・TikTok Shopの市場全体像と日本のEC戦略への位置づけ
  2. 中国型ライブコマースの仕組み(主播・坑位費・GMV評価)とその応用
  3. 内製化ロードマップの設計方法(採用・育成・KPI設計)
  4. 助成金活用を前提とした人材育成計画の立て方(疎明書・計画届の概要)
  5. ライブコマース配信のKPI設計と費用対効果の測定

2026年改正で変わった主な点(申請前に必ず確認)

2026年の人材開発支援助成金改正で、特に注意すべき変更が2点ある。

①疎明書(受講料の価格根拠資料)の提出が義務化

2026年度から、訓練に使う外部研修の受講料について、「なぜその金額なのか」を証明する疎明書の提出が必要になった。研修機関が作成し、提出する書類だが、申請企業側も「疎明書が用意できる研修機関か」を事前に確認する必要がある。

CNavi TikTok Shop Campusでは疎明書の対応が可能だ。詳しくは疎明書と受講料の価格根拠【2026改正】を参照。

②eラーニング型のみの研修は賃金助成の対象外

2026年改正で、eラーニング(オンデマンド型)のみで完結する研修は賃金助成の対象外となった。管理職が忙しいからといってeラーニングだけで済ませようとすると、賃金助成が受けられなくなる。

OJT・集合研修(Off-JT)と組み合わせた設計が推奨される。詳細はeラーニング型ライブコマース研修は賃金助成対象外を参照。


よくある質問(FAQ)

Q. 役員でも「業務委託契約」を結んでいれば対象になりますか? A. 業務委託契約は雇用契約ではないため、雇用保険の被保険者にはなれません。助成金の対象にはなりません。役員が業務委託というケースは法人の実態によって労働局の見解が変わることもあるため、必ず事前に確認してください。

Q. 管理職が研修を受けている間の賃金も助成されますか? A. 雇用保険被保険者として届け出られており、訓練時間中に賃金が支払われている管理職であれば、賃金助成の対象になり得ます。ただし審査を経て採択・支給が決定するものであり、支給保証はありません。また、OJT・Off-JT の組み合わせ方によって賃金助成の単価が変わります。

Q. 家族経営の会社で、代表取締役の妻(役員)も研修したい場合は? A. 家族役員は「同居の親族」として雇用保険に加入できないのが原則です(一定条件下で例外あり)。役員報酬のみで賃金が支払われていない場合は対象外です。ハローワークに具体的な状況を相談することを強くお勧めします。

Q. 申請後に「この人は対象外だった」と判明した場合はどうなりますか? A. 計画段階で発覚した場合は計画変更で対応できますが、支給申請後に指摘された場合は支給拒否・返還命令のリスクがあります。不正受給と認定されると5年間の申請禁止等の厳しいペナルティが科されます。事前確認を徹底してください。

Q. 中小企業の役員は自分で配信するケースが多い。助成金なしで研修を受けさせる方法は? A. 役員自身の学習は自社投資です。ただし、役員が研修で学んだノウハウを社内の「雇用社員」に展開するOJT型の仕組みを作れば、その雇用社員(被保険者)向けのOJT助成は対象になり得ます。役員の学習コストを間接的に回収できる設計も考えられます。


まとめ:管理職・役員の申請前チェックリスト

申請を検討する前に、以下を確認しておこう。

  • 対象にしたい管理職が雇用保険の被保険者として届け出されているか
  • 役員が訓練対象者に含まれていないか(含める場合は兼務役員として労働局確認済みか)
  • 疎明書に対応できる研修機関を選定しているか(2026年改正)
  • eラーニングのみの研修になっていないか(賃金助成対象外リスク)
  • 計画届提出前にハローワークへの事前確認を済ませているか

これらを全て確認した上で申請に進むのが、採択率を高める最も確実な方法だ。


ライブコマース研修の助成金活用は専門家への相談がスタート

管理職・役員の対象可否は、会社の組織形態・雇用保険の届出状況・実際の役割によって個別判断が必要になる。「うちのケースはどうなるのか」という疑問は、記事を読むだけでは解決しにくい。

CNavi TikTok Shop Campusでは、無料の個別相談を通じて「どの社員が対象になるか」「申請計画はどう組むか」を具体的に診断している。ライブコマース研修の助成金活用の全体像も合わせて確認した上で、まず1回相談してみることをお勧めする。

無料個別相談を予約する

「管理職・役員も含めた研修計画を組みたい」「誰が対象になるか診断してほしい」というご相談を受け付けています。

→ 無料個別相談を予約する(TimeRex)

※ クレジットカード不要・完全無料・オンライン対応


関連記事

無料個別相談

助成金の支給可能性、 まずは無料でご相談ください。

御社の業種・人数・商品から、助成金の支給可能性と最適プランをご提案します。導入を決める前のご相談だけでも歓迎です。

無料で個別相談を予約する

個別相談は約30分、オンライン(Google Meet)で実施します。 導入決定や契約は不要です。

関連記事